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偉人たちの見た京都

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偉人たちが綴った日記、随筆、紀行を通してかつての京都の姿に思いを馳せ、時代を超えて人々を惹きつける古都の魅力をお伝えします。
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2024年4月の記事一覧

近代建築の巨匠・谷口吉郎が修学院離宮で体感した「音」の妙趣|偉人たちの見た京都

谷口吉郎は、日本の伝統美を生かした建造物を数多く設計した建築家です。主要な作品には、藤村記念堂、石川県立美術館(現・石川県立伝統産業工芸館)、東京国立博物館東洋館などがあり、日本芸術院会員や文化勲章受章の栄にも浴した、日本の近代建築界を代表する巨匠の一人です。 吉郎は1904(明治37)年に、石川県金沢市片町で、九谷焼の窯元「金陽堂」の長男として生まれました。生家は犀川大橋の近くにあり、店にはたくさんの九谷焼の壺や皿が並べられ、仕事場では職人たちが絵付けの仕事を行なう。吉郎