財界人にして歌人・川田順が醍醐寺で感知した豊臣秀吉の寂寥
京都の東南、山科盆地にある真言宗醍醐派総本山・醍醐寺は、世界文化遺産にも指定された京都を代表する古刹の一つです。創建は平安時代に遡り、1100年以上の歴史を持っています。境内にある国宝の五重塔は951(天暦5)年に完成した、現存する京都府最古の木造建築物。ほかにも多くの国宝や重要文化財を誇る寺院です。
しかし、醍醐寺の名が歴史に強く刻まれるようになったのは、太閤豊臣秀吉による大規模な花見の宴の場所に選ばれたからでしょう。1598(慶長3)年に開かれたいわゆる醍醐の花見がそれ