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偉人たちの見た京都

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偉人たちが綴った日記、随筆、紀行を通してかつての京都の姿に思いを馳せ、時代を超えて人々を惹きつける古都の魅力をお伝えします。
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2022年11月の記事一覧

清水寺の舞台から眺めた夕景と新劇運動の先駆者・島村抱月|偉人たちの見た京都

1918(大正7)年に発生し、2年間にわたって全世界を席巻、当時の世界人口の3割に当たる5億人が感染したといわれるスペイン風邪。現在のコロナ禍と同様、日本国内でも大流行し、最終的に40万人以上の人々が亡くなったとされています。 このスペイン風邪への罹患が原因で、同年11月にわずか47歳で急逝したのが島村抱月です。抱月は文芸評論家、美学者、英文学者、小説家、劇作家、演出家、そして初期新劇運動の指導者として活躍した人物で、女優・松井須磨子との恋愛事件でもよく知られています。