マガジンのカバー画像

イスタンブル便り

33
25年以上トルコを生活・仕事の拠点としてきたジラルデッリ青木美由紀さんが、専門の美術史を通して、あるいはそれを離れたふとした日常から観察したトルコの魅力を切り取ります。人との関わ… もっと読む
運営しているクリエイター

#建築史

博物館からモスクになった「アヤソフィア」の今|イスタンブル便り

この連載「イスタンブル便り」では、25年以上トルコを生活・仕事の拠点としてきたジラルデッリ青木美由紀さんが、専門の美術史を通して、あるいはそれを離れたふとした日常から観察したトルコの魅力を切り取ります。人との関わりのなかで実際に経験した、心温まる話、はっとする話、ほろりとする話など。今回は、2020年7月に博物館からモスクになったビザンチン時代の大聖堂「アヤソフィア」の今をレポートします。  アヤソフィアのドームの内側頂点には、「アルトゥン・トプ(金の玉)」と呼ばれる半球体

日本人のわたしがトルコで建築史を教える|イスタンブル便り

この連載「イスタンブル便り」では、25年以上トルコを生活・仕事の拠点としてきたジラルデッリ青木美由紀さんが、専門の美術史を通して、あるいはそれを離れたふとした日常から観察したトルコの魅力を切り取ります。人との関わりのなかで実際に経験した、心温まる話、はっとする話、ほろりとする話など。今回は、トルコの大学で建築史を教える筆者が、一年半ぶりに対面授業が再開された感慨を綴ります。  朝7時25分。  自宅から歩いて5分足らずの船着場から、ボスフォラス海峡を渡る定期船に乗る。10