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イスタンブル便り

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25年以上トルコを生活・仕事の拠点としてきたジラルデッリ青木美由紀さんが、専門の美術史を通して、あるいはそれを離れたふとした日常から観察したトルコの魅力を切り取ります。人との関わ… もっと読む
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2022年9月の記事一覧

自分を空っぽにする旅:アナトリアの大平原疾駆の自動車旅行2600キロ|イスタンブル便り

「ねえ美由紀さん、トルコに行くから、一緒に旅行しない?」 そういうことになったのは、この6月、コロナ後3年ぶりに帰国して、東京のみどりさんの家だった。 あとから聞いたところによると、責任あるプロジェクトを抱えていた彼女は、何か大きな楽しみがないと乗り切れないと思ったそうだ。仕事の手が離せないパートナーのN氏はお留守番で、一人息子の小学四年生、あおくんと二人でくる。そう話しているうちに、 あおくんの同級生の、なつめちゃん一家も一緒に、ということになった。わたしにとっては初対面