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「注目記事」に選ばれた記事

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「ほんのひととき」が投稿した記事の中で、noteの「注目記事」に選ばれた記事をこちらにまとめています。
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#川内有緒

大迫力! 頭上を滑空するアフリカハゲコウ(山口県美祢市)|ホンタビ! 文=川内有緒

 2011年、山口県のある動物園から1羽のアフリカハゲコウが行方不明になった。翼を広げると体長2・5メートルにもなる大型の鳥で、名前はキン。動物園関係者は必死に捜索を続けていた。  9日後、キンは約600キロも離れた和歌山県内で保護された。飼育を担当していた大下梓さんは、キンと再会したとき涙をこぼした。 「もう奇跡でした」  通常、動物園がロストした鳥を見つけるのはとても困難だからである。  そもそも、なぜキンは遠くまで飛んでいってしまったのか──。  脱走? いや

【元町映画館】観客・映画監督たちと距離が近い 商店街の手作りミニシアター(兵庫県神戸市)|ホンタビ! 文=川内有緒

 神戸市長田区にある神戸映画資料館。貴重な映画フィルムをアーカイブするその場所に、1枚のモノクロ写真が飾られている。帽子をかぶった男性が大きな箱を覗いている写真だ。その箱とはキネトスコープ。エジソンが発明した映画鑑賞装置である。  1896(明治29)年、キネトスコープは神戸港に初上陸。「活動写真」なるものが披露され、人々を仰天させた。1932(昭和7)年には喜劇王・チャップリンも神戸を訪れ、10万人に熱烈な歓迎を受けた。いつしか神戸は「日本映画発祥の地」「映画の街」と呼ば

妖怪に会える城下町(大分県臼杵市)|ホンタビ! 文=川内有緒

 臼と杵が組み合わさって「臼杵=うすき」。大分県の城下町で、いかにも伝説がありそうな地名である。一説によれば、高千穂(宮崎県)の山のほうから巨大な臼と杵が飛んできて町ができたとか……その真偽のほどは定かではないが、とにかくこの町には不思議な言い伝えや伝説が溢れている。 特に妖怪に出会いたい! という人には熱烈におすすめしたい。 妖怪と人が共存  町で最初に目に入るのは、丘の上にどーんとそびえる臼杵城跡である。16世紀半ば、キリスト教に帰依したいわゆる“キリシタン大名”の