炭焼長者の小五郎の姿と重なる「竈門炭治郎」 |『鬼滅の刃』ヒットに潜む異界の符牒(1)
文・ウェッジ書籍編集室
昨年10月に公開された映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、公開から半年以上経過するいまもロングランであり、コロナ禍で苦境にあえぐ映画業界で「鬼滅特需」とも呼べるべき現象をもたらしています。コロナ禍のいま、漫画やアニメ、映画の作品を通して、あらためて世相と重ねながら「鬼」という存在を身近に感じた人も多いことでしょう。
節分行事や桃太郎伝説などで、もともと日本人には身近な存在であった「鬼」ですが、『鬼滅の刃』では従来のイメージを超えた新たな鬼の姿が描