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飛騨さんぽ

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紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴っていきます。
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#浅岡里優

【飛騨の匠】1300年の伝統を受け継ぐ木工の技と心|飛騨さんぽ

飛騨の街歩きは、楽しい。最近は、いろいろな建造物に目を凝らすのにハマっている。 趣を感じる街並み、見た目から伝わる美しさに心が踊るのはもちろんだが、その歴史に想いを馳せると日本文化の持つ奥行きを感じることができる。 飛騨は昔から「匠の里」として知られてきた。現地で暮らしていると、「飛騨の匠」という言葉をよく耳にする。飛騨出身の夫の話では、小学校の頃から社会科の時間に「飛騨は、匠のまち」と習うらしい。歴史を学ぶだけでなく、実際の大工の方を招いた木工授業なども行われているとい

カオスな神岡!東洋一の鉱山が造り出した街|飛騨さんぽ

これまで飛騨の大自然や伝統ある文化を紹介してきたが、飛騨市にはまたひと味違った魅力のあふれる街がある。それが「神岡町」だ。 東洋一の鉱山とも謳われた神岡鉱山を有するエリアで、明治から昭和にかけて繁栄した街の様子がいまも色濃く残っている。 今回は、歴史の風情と時代の最先端が入り交じるカオスな街・神岡の魅力をご紹介したい。 鉱山とともに繁栄してきた町飛騨はもともと、山国で米があまり獲れなかったため、平安時代には「下下の国」と言われるほど貧しい地域とされていた。なかでも神岡町