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飛騨さんぽ

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紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴っていきます。
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#伝統工芸

【飛騨の匠】1300年の伝統を受け継ぐ木工の技と心|飛騨さんぽ

飛騨の街歩きは、楽しい。最近は、いろいろな建造物に目を凝らすのにハマっている。 趣を感じる街並み、見た目から伝わる美しさに心が踊るのはもちろんだが、その歴史に想いを馳せると日本文化の持つ奥行きを感じることができる。 飛騨は昔から「匠の里」として知られてきた。現地で暮らしていると、「飛騨の匠」という言葉をよく耳にする。飛騨出身の夫の話では、小学校の頃から社会科の時間に「飛騨は、匠のまち」と習うらしい。歴史を学ぶだけでなく、実際の大工の方を招いた木工授業なども行われているとい

春の訪れを告げる音。230年の伝統を灯す和ろうそく|飛騨さんぽ

「飛騨さんぽ」は、紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴る連載です。第4回は、飛騨古川の地で230年の伝統を受け継ぐ「和ろうそく」について。  春の訪れを感じる音がある。  しゃかっ、しゃかっ、とん、ととん。  和ろうそくづくりの音だ。 ※この動画は作業の様子を再現していただいたものです。音声をONにしてご覧ください。  飛騨古川には江戸時代から約230年続く“三嶋屋和ろうそく店”がある。その趣きある

800年の伝統を守る“山中和紙”の奥深い魅力|飛騨さんぽ

「飛騨さんぽ」は、紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴る連載です。第3回は、飛騨の山奥で受け継がれてきた“山中和紙”について。 「800年続くこの伝統を、800年先まで残したい」  こう語るのは、雪深い河合町で、“山中和紙”の伝統を受け継ぐ長尾農園の長尾隆司さん。  飛騨には歴史的な文化や営みが数多く残っている。そのひとつが、伝統工芸の「山中和紙」だ。幼稚園や小学校の卒業証書や成人式の証書に使われるなど