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飛騨さんぽ

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紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴っていきます。
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#私のイチオシ

日々の暮らしに薬草を|飛騨さんぽ

「この季節がいちばん好き」 そう語る地元の人も多いのがこの新緑の5月。 私が初めて飛騨に訪れたのも5月だった。たまたま仕事関係で飛騨の方とお話する機会があり、冬景色もいいけどGW明けの新緑の季節がとっても美しいからそのタイミングがおすすめと言われたのがキッカケ。 5月が近づくと、長く厳しい冬が明けるのを今か今かと待っていたかのように飛騨の樹々や植物たちが一斉に芽吹き始める。山々が美しい緑に衣替えし、見ているだけで心が満たされる。 そしてこの生命の芽吹きは、森の恵みの楽

GWに訪れたい!大自然や太古の歴史に触れるスポット3選|飛騨さんぽ

今年の冬はかなり厳しく、「これでもか!」とばかりに分厚い雪に覆われていた街も、4月に入るとあっという間に雪解けが進みすっかり春めいてきた。とはいえ、朝晩はまだ0℃まで下がるような日も多い。(飛騨では6月くらいまでストーブを片付けられない。これは移住して驚いたことのひとつ) みなさんが暮らしている地域はいま、どんな春を迎えているだろう。 さて、今回はGW間近ということで、この時期におすすめの飛騨のスポットをご紹介したい。 1.池ケ原湿原~ 40万株のミズバショウが咲き誇る

800年の伝統を守る“山中和紙”の奥深い魅力|飛騨さんぽ

「飛騨さんぽ」は、紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴る連載です。第3回は、飛騨の山奥で受け継がれてきた“山中和紙”について。 「800年続くこの伝統を、800年先まで残したい」  こう語るのは、雪深い河合町で、“山中和紙”の伝統を受け継ぐ長尾農園の長尾隆司さん。  飛騨には歴史的な文化や営みが数多く残っている。そのひとつが、伝統工芸の「山中和紙」だ。幼稚園や小学校の卒業証書や成人式の証書に使われるなど