黒崎の鼻で、アイルランドと和田義盛を追憶する|新MiUra風土記
ときどきアイルランドの風景が思い浮かぶ。その草原や海岸が見たくなる。荒涼としたアランの島ならばなおいい。孤島の南岸は吹きつける風で、土も積もらない岩と礫の地。何も無いこと、虚無だけど豊かだと感じる光景に包まれたくなるのだ。
三浦半島にもそんな思いが叶う場所がある。黒崎の鼻から荒崎への海と崖。
京急線三崎口駅は、半島遊歩のおなじみの駅。いつもならここでバスを選ぶが、目指す岬には歩いて行く。「東京から電車で1時間あまりでアイルランドが味わえる」と同伴者がいればこう言いふくめよう