逗子、海を見ていた前方後円墳とヤマトタケルが駆けた路|新MiUra風土記
鎌倉駅をでた横須賀線の車内は一変して乗客がまばらになり、気分が緩んだ。
逗子駅に近づくと左手に片っ曽の山が迎えてくれて、僕のウェルカムゲートになっている。片っ曽の名は断崖の意味で、切り立つこの山には「孫三郎狐」が棲んでいた伝説がある。
駅のホームに下り立つと変わらぬ清々しい浜風が吹いている。駅前の日差しは白くて晴天の蒼さが似つかわしい。
小説「太陽の季節」(石原慎太郎)や「不如帰」(徳冨蘆花)が描いた三浦半島西岸の逗子市は明治から昭和へ、葉山町とともに保養地・別荘別宅地として