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新MiUra風土記

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この連載では、40年以上、世界各地と日本で20世紀の歴史的事件の場所を歩いてきた写真家の中川道夫さんが、日本近代化の玄関口・三浦半島をめぐります。
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2022年1月の記事一覧

観音崎要塞めぐり|新MiUra風土記

灯台と砲台 いつも三浦半島の観音崎を眺めている。  僕のマンション(横浜市)の階段の踊り場からは、南に横須賀市が望め、その背後には千葉県の房総半島が重なる。そのすき間が東京湾の浦賀水道で、そこに突き出ているのが観音崎の岬だ。  三浦半島は「要塞半島」とも呼ばれてきた。  幕末の招かざる異国船から、海防の城塞として江戸、東京湾の西岸を守ってきた。半島と湾上には27箇所の沿岸砲台を設けて、「東京湾要塞司令部」が横須賀におかれていた(*1)。  その西洋式築城技術による砲