親鸞が説いた“悪人正機説”とは?|齋藤孝『図解 歎異抄』より(6)
善人とは自力でやっていける人であり
悪人とは他力にすがるしかない人だ「善人なほもって往生をとぐ。いはんや悪人をや」──知らない人はいない、というほど『歎異抄』で一番有名な言葉です。「善人でさえ浄土に往生できるのだから、まして悪人はいうまでもない」。これは「悪人正機」といわれている教えで、「正機」とは「仏の教えや救いの対象となる人」のことです。
ところで、一般の考え方を言葉にするなら、「悪人なほ往生す、いかにいはんや善人をや」で、「悪人が往生して浄土に行けるのならば、善人なら