ペタコのさえずりに想う、台湾の悲哀|芒種~夏至|旅に効く、台湾ごよみ(21)
梅雨の雨だれのなか「ぴちゅ ぴちゅちゅく ぴちゅく」と鳥の声がしてきて、ああ、雨がやんだのかと気づく。とりわけ軽やかなのは、日本統治時代より「ペタコ」という名でも親しまれてきたヒヨドリ科シロガシラのさえずりである。
童謡にも歌われたペタコシロガシラはその名の通りヘルメットをかぶったような白い頭が特徴的だが、台湾語(ホーロー語)では「ペエタウコッ」(白頭拡)と言うのが日本語で訛って「ペタコ」になった。台湾のそこらじゅうで見かける鳥で、台湾俳句の初夏の季語でもある(※台湾俳句歳