地獄の門のひらく鬼月に、亡き人たちを想う。|立秋~處暑|旅に効く、台湾ごよみ(11)
この連載「旅に効く、台湾ごよみ」では、季節の暦(二十四節気)に準じて、暮らしにとけこんだ行事や風習、日台での違いなどを、現地在住の作家・栖来ひかりさんが紹介。より彩り豊かな台湾の旅へと誘います。
大暑のあと、太陽が黄道を135度の位置までくれば、立秋である。古代中国で生まれたこの季節の七十二候は
初候:涼風到(すずかぜいたる)
次候:白露降(しらつゆふる)
末候:寒蝉鳴(ひぐらしなく)
太陽はまだギラギラと頭に近い場所から照り付けてくるが、影に入ればひとすじの風が頬