台北で髪を洗ってくれた台湾人女子と雲海を抜けて再会する(嘉義・奮起湖)|岩澤侑生子の行き当たりばったり台湾旅(6)
その女の子と初めて会ったのは、台湾生活のなかでも特に憂鬱な一日、修士論文の口頭試験の前日だった。順風満帆とは言えなかった大学院での研究の大きな区切りを目前に控え、少しでも楽な気持ちになりたくて美容院に入った。
席に座ると、髪を明るく染めた小柄な女の子が担当になった。髪を洗ってもらいながら、無事に卒業できたら台湾一周旅行にでるつもりだと話すと、「私の恋人の家族が奮起湖で民宿を経営していて、私もその時期にそこいるから、ぜひ泊まりにきて!」と提案された。聞き慣れない地名で、どのあ