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岩澤侑生子の行き当たりばったり台湾旅

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昨年まで現地の大学院に留学されていた俳優の岩澤侑生子さんが、台湾をぐるりと一周した旅の記録を綴っていきます。心の赴くまま、行き当たりばったりの旅をぜひ一緒にお楽しみください!
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2023年5月の記事一覧

宮原武熊の元邸宅で不老の夢をみる(台中)|岩澤侑生子の行き当たりばったり台湾旅(5)

台湾鉄道の台中駅近くに「宮原眼科」という煉瓦造りの建物がある。ここは元々、日本統治時代に日本人医師が開業した眼科医院だった。2011年末にパイナップルケーキで有名な日出グループが、しばらく使われていなかったこの建物を店舗に改装した。開放感のある吹き抜けの店内は、まるで絵本の世界に迷い込んだかのようだ。 3日間宿泊した台中から次の目的地に移動する日、たまたま通りかかった「不老夢想125号」という建物の名前に惹かれて、夏の青空に映える白亜の洋館へ吸い込まれた。 偶然にもこの建

夢見る汽車を横目にタイムスリップ(彰化・鹿港)|岩澤侑生子の行き当たりばったり台湾旅(4)

>>>バックナンバーから読む 彰化名物のバーワンのお店から、徒歩で彰化扇形車庫へ向かう。ここ彰化には、日本統治時代に建造された扇形の車庫がある。ちょうどこの年は、彰化扇形車庫が運用され始めてから100年を迎えた記念の年だった。 扇形車庫は、車体の角度を変える転車台(ターンテーブル)を真ん中に置いた車庫、長旅を終えた機関車のおうちだ。1922年に6両の蒸気機関車が入る格納庫として建造され、その後増築を重ねて1933年に12両の車庫になった。99度の扇状に広がっていることから