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“音の魔術師”の人生が浮き彫りにする台湾映画の光と影 『擬音 A FOLEY ARTIST』|栖来ひかりの台湾映画の歩き方。
“音の魔術師”が繰り出す熟練の技1890年代のフランス、パリに暮らすリュミエール兄弟の手で「映画」は生まれた。最初はサイレントだった映像に音が同期するようになった映画は「トーキー」と呼ばれる。音楽をつけるにもオーケストラを呼んで一発撮りするしかなかったトーキーは、技術の進歩で録音を重ねることが可能となり、今にいたる。 現代では、撮影現場で映像と同時にセリフを録音しても、効果音は後付けすることが少なくない。多様な言語で吹き替えが行われるハリウッド映画ならとりわけそうだ。しかし