吉川飛空さんがAIで生成した「人では作れないもの」に著作権は発生しないと思う話
はじめに
以下の投稿を見て、AI利用者がAI生成物に著作権が発生する条件を勘違いしている気がしたから、今回は吉川飛空さんを例に記事を書いたわ。
そもそも著作物って何?
著作権法によると
「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」
と定義されているのよね。
だから人間自身が何かを考えて表現しようとして生み出すものには、大抵の場合は著作権が発生することになるわ。
AI生成物に著作権は発生するの?
なら、AIで生成したものはどういう考え方になるかと言うと、令和6年著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」の資料に答えが書いてあるわ。
要するに、AIを道具として利用する際に、人間が表現したいものの完成形を具体的にイメージできており、そのイメージを忠実に再現するためにAIを使用し、さらにその制作物に対して創作的な寄与が何重にも重なっていなければ、AI生成物には著作権が発生しないのではないかしら。
ちなみに、部分的な修正や加筆修正については、その修正箇所にのみ著作権が発生し、全体に対しては著作権が発生しないのよ。
ここで少し考えていただきたいのだけれど、AIを使って何かを生成する際に、最初から100%完成形をイメージしていて、そのイメージを再現するために何度も指示を繰り返し、最終的にそのイメージ通りのものを表現できた経験を持つ人は、どのくらいいるかしら?
恐らく、多くの人は生成を進めるうちに「あ、この生成結果はいい感じ」と思って公表したり、生成物に加筆修正を加えて投稿したりしているのではないかしら。
そして、雰囲気が似ているという理由でイメージ通りだと認識してしまうこともあると思うの。
だって、今の生成AIでは、イメージ通りのものを100%再現するなんて、無理があるものね。
良くて50%程度が現実的なのではないかしら。(100%再現できる技術は、現時点では存在していないわ)
そう考えると、AIを表現のための道具として利用している人よりも、表現のきっかけやインスピレーションとしてAIを利用している人の方が多いのではないかしら。
だから、現時点では、AI生成物に著作権が発生することはかなり珍しいケースだと思うの。
もし著作権が発生するとすれば、例えば最近話題になっているマクドナルドやおーいお茶のCMのように、事前に設計されたものに沿って作られた場合が考えられるわよね。
吉川飛空さんがAIで生成した「人では作れないもの」に著作権は発生しないと思う理由
吉川飛空曰く、
と言っているけれど、私の見立てでは著作権が発生しないと思うから、今回はその理由について触れていくわ。
① 「人では作れないもの」ならAIが生成しただけなのでは?
吉川飛空も人間でしょうから、吉川飛空が作った訳では無く、吉川飛空が主張するように生成しただけなのではないかしら?
人間では作れないものをAIに生成させているだけなのだから、創作的寄与は一体どこにあるのかが疑問よね。
② 「自分にしか出来ない表現」では無いなら、ありふれた表現に該当してしまうのでは?
本人が以下のように投稿しているから、本人しか出来ない表現というより、ありふれた表現なのでしょうね。
生成AIは人間が生み出したものを学習して、似た傾向を出力しているだけだから、そもそも自分にしかできない表現なんてものは、中々無い訳だけれど。
(AIにしか思いつかない表現は実在するわよね。流行り始めた初期の頃、箸を持っているのに手で食べている生成物が公表されていたけれど、あれはAIにしか思いつかないわ)
③ そもそもテーマがないなら、表現とは言えないのでは?
テーマは無く、目新しい画像を作ろうとしただけだと語っているから、もはや表現ですら無いのよね…。
④ 「あくまでも生成しているだけ」なら創作的寄与が無いのでは?
生成しているだけと書いてあるから、創作的寄与以前の話よね…。
⑤ 「ある程度のお金と時間をかけて生成しただけ」なら芸術でもないのでは?
著作権が発生するか否かの判断にお金や時間は関わってこないし、芸術とも無関係であると書いておくわ。
⑥ 目新しいと思っているだけで、表現とは言えないのでは?
結論
自分にしかできない表現ではなく、テーマがある訳でもなく、ただ目新しいと感じた画像を、お金と時間をかけて生成しただけであり、本人の発言からも創作的意図や創作的寄与が見られない為、あの生成物には「著作権が発生しない」と私は思うわ。
(あくまでも私の推測であり、事実とは異なる場合もございます)
とりあえず、本人が「法的に著作権があることの証明はできる」と言っているので、いつか法的に証明してくれる事に期待しながら、この記事はここで終わりにするわ。
(判例すら無いのに、どうやって法的に証明するつもりなのかは知らないのだけれど)
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