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2024.1.26 夜の本気ダンス@BIG CAT

夜ダンのツアーセミファイナル大阪のライブレポ。

京都、神戸の対バン編にも参加済みではあるものの、アルバム「dip」がリリースされて初のワンマンライブということもあり、どのようなセットリストが組まれてくるのか?という予想がほぼ立たなかった。

ひとつ間違いなく言えることは、1GO!1A!ツアーのセミファイナル(+ファイナル)と、新譜リリース後初のワンマン、というふたつの要素を見事に持ち合わせた最高のライブだった、ということだ。

夜ダンのライブと言えば、な、SE「ロシアのビッグマフ」が流れ、客席からは早くも踊りだしそうなクラップが聞こえてくる。対バンでもフェスでも、この曲を何度も聴いたが、ワンマンなだけあってクラップがより揃っているような気がした。メンバーが順にステージに登場し、こちらも定番の「夜に本気ダンス」を演奏し、ライブが始まる。

1曲目は「審美眼」。「夜に本気ダンス」ではギターを弾いていたちょねさんが、「審美眼」の同期音源がフェードインしていく中でそっとギターを降ろす。そして初っ端からガンガンに踊りまくる。一気に夜の本気ダンスのライブに引き込まれる。2曲目は新アルバム「dip」から「DYWD?」。いきなりの新曲。「Do you wanna dance? 」と聞かれるまでもなく、いつだって踊れる準備ができているフロアは、「待ってました!」と言わんばかりにみるみる熱気を増していく。その勢いのままに「行こうぜWHERE!!」の掛け声で「WHERE?」に突入。何回聴いても、踊っても、楽しさが衰えない魔曲だと思う。「WHERE! Is!」のコールアンドレスポンスも、マイケルさんの「踊れ大阪!」も、ライブの「WHERE?」は総じて最高だ。そして「for young」「Oh Love」「SOMA」「Movin’」と続く。「for young」は私が初めて見た夜ダンのライブで聴いて、より好きになった曲なので、またライブで聴くことができてうれしかった。「Oh Love」は対バン編に引き続いてのセトリ入り。メンバー全員の楽しげなコーラスが気持ちいい。「忘れられない一日にしましょう」というちょねさんの言葉から始まった「SOMA」は、心がじわじわとあたたかくなった。「Movin’」はイントロのギターワウを踏む西田さんのシルエットがまずあまりにかっこいいし、なんといっても鈴鹿さんのラップ、S-指定の決まり具合が何度見ても感動する。なんでドラム叩きながらラップできるんですかほんとに。

ここでMC。鈴鹿さんが衣装のズボンを忘れたこと、それにより開演が少し遅れたことが明かされ、「自分で自分が嫌になる!」と鈴鹿さん。夜ダンのMCは全員がとんでもなく自由だが、なんやかんやしっかりゴールが見つかるし、全員笑顔で終わるから好き。

MC明け1曲目は「ピラミッドダンス」。ツアー中にリリースされ、10月の京都公演でライブ初披露された曲。素人ながら、ツアーを通して、ライブで育ててきたんだろうな、とすぐに分かるくらい、よりかっこよくなっていた。音源では空白になっているサビの溜めの箇所に、「ここにはこうじゃないと!」と思わず頷いてしまうくらいに見事なギターのフレーズが追加されていた。西田さんのギターには迷いがない。
そしてここからは「本気ダンスタイム」。ここは対バン編から曲は変更なしの「By My Side」「Japanese Style」「Weekender」「TAKE MY HAND」の4曲。ほぼ今回のツアーの「本気ダンスタイム」しか知らない(初めて見た回は楽しすぎて記憶がない)ようなものだけど、本当に本当に好きな繋ぎばかりだった。「By My Side」は自分でコピーするくらい好きな曲。からの「Japanese Style」はアウトロまでフルで演奏され、「本気ダンスタイム」の名の通り、長い時間踊ることができる最高の時間だった。今回のツアーの個人的MVP曲と言っても過言ではない「Weekender」への流れも最高だった。徐々に楽器が増えていくアレンジは間違いない。そして「TAKE MY HAND」。アレンジでの音源からの変化が一番大きかったのはこの曲ではないだろうか。まず、マイケルさんのベースが怪しげに響く。普段はピック弾きがメインだが、この時は指弾きで柔らかく、それでいて強かな音。これだけで酔える。そして徐々にそれが「TAKE MY HAND」の一部だということが明らかになり、曲に入る。勢いよくフロアを躍らせながら、曲は進んでいき、2番Aメロで、一気にテンポを落とす。ここが、本当に、良くて。夜の本気ダンス、というバンドの持つ色気が全て凝縮されていた。2サビ前の「注ぎ込む ah ah ah」に合わせてネクタイを外し、サビで投げ捨てるちょねさんは確かに存在しました。使える武器はすべて使ってこちらを虜にしようとしてくるので本当に末恐ろしいバンド、夜の本気ダンス。

「本気ダンスタイム」が終わり、「懐かしい曲します」というMCで始まったのは「Bob Dance Bob」。さっきまでネクタイ投げてたのと同一人物なの?というくらいにやさしさがにじみ出る歌声が、胸にスッと入ってくる。

懐かしい曲の次はまたまた「dip」から「Vivid Beat」。同期で流れるキーボード、シンセサイザーの音と、4人が目の前で鳴らしている音のバランスが絶妙で、曲名にちなんだビビットカラーの照明も楽しい。
ここで、ソロ回しとメンバー紹介が入る。「これからも僕たち4人で夜の本気ダンスです!!」とちょねさんが力強く宣言すると、「Without You」の印象的なリフがはじまる。現体制で初めてリリースされた曲とともに、「これからも僕たち4人で夜の本気ダンスです!!」と宣言するフロントマンがいるバンド。こんなに頼もしいことがありますか?私は夜ダンを好きになって半年ほどのドドド新規オタクだが、これからずっと長く大切に思いたい、そんなバンドを好きになれてよかった、と心から思った。
最後は「Crazy Dancer」「GIVE&TAKE」と夜ダンの真骨頂とも言える、存分に踊れる2曲でフィナーレ。いつもなら楽しさに狂うところだが、「Without You」からの流れのせいか、どこか感動的な雰囲気があったように思う。

アンコールは、新曲「ABRAKADABRA」と、インディーズ時代からの名曲「戦争」の2曲。「ABRAKADABRA」の話はまた別で書こうと思うが、あの勢い、生で浴びると楽しすぎて危険。完全に飲み込まれる。「戦争」はもう、全員の攻め方がとてつもない。マイケルさんのベースソロも、西田さんがマイクスタンドにギターをこすりつけてギュイーン!とするのも、あんたらが「戦争」やん、、と毎度思う。お決まりの、間奏部分で全員がしゃがんで最後のサビで一気に立ち上がるアレ、もちろんありました。ライブの「戦争」の時が一番生きてる!って実感する瞬間かもしれない。

セットリストを改めて見ると、「新旧交えた」という言葉がぴったりだと改めて感じる。15周年のアニバーサリーワンマンと、新譜リリース後初ワンマンを同時に楽しんでしまおうという、なんとも欲張りな2時間だった。そして、一貫して「踊る」ことを楽しむための最高の空間だった。個人としては、夜ダンを好きになってから初めてのツアーだったので、複数本参加して、その変化を感じられたのが嬉しかった。踊れる準備をして、またライブに行ける日を楽しみにしている。

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