[名著ココだけ]ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け 著:ピーター・リンチ Part.2

お急ぎ用

名前はつまらないのに内容がよい会社は早くから買われることが少なく、二流でもいかした名前の会社は、投資家に誤った安心感を抱かせるもの

株価が高すぎるかどうかを判断するする手っ取り早い方法は、株価のラインと収益のラインを比べてみること

十分調査されていない会社の株に投資するのに遅すぎるということはない

会社の資金力を見る1つの手っ取り早い方法は、バランスシートの右側の負債と資本を比較すること

顧客を失うことなく毎年のように値上げができるビジネス(例えば習慣性のある煙草のような)を見つければ、それは最高の投資物件である

まとめPart.2

名前はつまらないのに内容がよい会社は早くから買われることが少なく、二流でもいかした名前の会社は、投資家に誤った安心感を抱かせるもの

株価と収益を並べたチャートを見れば、収益の重要性は一目瞭然である。どのチャートでも株価と収益のラインは並行している。外れていても、そのうちまた株価ラインが収益ラインに近づいてくる

チャートから、株価が収益に先行すると、すぐに株価のほうが下がって調子を合わせている

株価が高すぎるかどうかを判断するする手っ取り早い方法は、株価のラインと収益のラインを比べてみること

PER(株価収益率)について

 ・ある株のPERが40倍で、他人の株の方が3倍だとしたら、それは前者の将来の収益向上に大きな期待が持たれており、後者のほうが疑問視されている

 ・急成長株ほどPERは高く、低成長株ほど低く、市況関連株はその中間にある

 ・異常に高いPERを避けるべきなのは、ごく少数の例外を除いて損をせずに済む

 ・市場の動きで何銘柄かの株が利益と比べて高すぎるときは、他の多くの株も高すぎるもの

将来の利益が分からない場合でも、その会社がどのように収益向上を図っているかは、調べられる

企業が利益を増大させるには5つの基本的な方法がある。コスト削減、値下げ、市場拡大、市場占有率拡大、そして赤字部門のテコ入れ、閉鎖、または売却。これらを調査する

株を実際に買う前には、その会社の魅力、成長性、弱点などをもう一度自問自答してみる

競争相手のことを尋ねるやり方は、有望な株を見出すための方法の一つ。ある会社の幹部が他の会社を魅力的に感じていると認めるようなら、その会社には賭けてもよい

十分調査されていない会社の株に投資するのに遅すぎるということはない

「バリューライン」は流動資産を負債、前回の不況の際に会社はどうなったかという長期的な記録の要約、収益は上昇傾向にあるか、配当は常に支払われているか、などに書かれている

PERが15倍なら、この会社は年率で15%の成長を期待できるし、もしPERが成長率より低ければ、バーゲン価格である。一方、成長率が6%でPERが12倍なら魅力に欠けるし、いずれ株価は下がる。一般的に、PERが成長率の半分だし、PERが成長率の2倍なら非常に危ない

バリューラインやS&Pレポートを利用して成長率を弾き出すことができる。配当を考慮した利益の成長率の、やや複雑な算出法もある。まず成長率を算出し(仮に12%として)、それに配当利回りを足し(3%とすると)、それをPERで(10倍とする)割れば、(12+3)÷10=1.5となる。この答えが1以上なら見込み薄だし、1.5ならまずまず。しかし本当に探しているのは2以上である

そのキャッシュで会社が何をしようとしているのかを頭に入れておけば、キャッシュが積み上げるにつれて、それで会社が何をするかは株価に関係してくる

会社の資金力を見る1つの手っ取り早い方法は、バランスシートの右側の負債と資本を比較すること

銀行借入れやコマーシャルペーパー(手形の一種)の重要な点は、返済日がすぐにやってくること。時には先方の都合で返済を迫られる。会社が危ないとなるとすぐ返済を迫ってくるのがこの種の負債

市場からの調達する資金は通常社債の形となることが多く、満期日は長期である

人々は簿価が20ドルで株価が10ドルなら半値で買えることになる、と計算して投資している。この欠点は簿価からしばしば過大もしくは過小に評価されていて、実際の企業価値との関連が少ないこと

キャッシュフローとは、会社が事業を行って得るキャッシュの量である。すべての会社は他社に比べてキャッシュを得るための支出が多いことがある

顧客を失うことなく毎年のように値上げができるビジネス(例えば習慣性のある煙草のような)を見つければ、それは最高の投資物件である

会社の成長過程には三段階ある。本業の発展を成し遂げる始動段階、新規事業へ進展していく急上昇段階、もうこれ以上成長が難しい飽和状態に近づきつつある成熟段階、の3つである。これら3つの段階は、それぞれがだいたい7年くらい続く

株式全般についての最終チェックリスト

 ・PERは当会社としては高いか低いか。また、同業他社との比較においてはどうか

 ・機関投資家の持ち株比率はどうか。低ければ低いほどよい

 ・インサイダー(内部者)が買っているか、あるいはその会社自体が自社株の買戻しを行っているかどうか、両方とも、よい兆候である

 ・今までの最高の利益がどれくらいか。利益の上昇は偶発的なものか、あるいは安定的なものか(利益が重要性を持たない唯一のケースは資産株である)

 ・会社の貸借対照表は、負債資本比率から見て健全かどうか。また、財務面の強さはどの程度に評価されているか

 ・流動資産比率はどうか。1株あたりの流動資産16ドルのフォードの株価は、16ドルを底値としてそれ以下には下がらない