リアリティの感じ方は人によって違うんじゃないか説

創作物を語るとき、必ずといっていいほど問題になってくる「リアリティ(現実味)」。

私は言われたことがないのだが、じゃがいも警察とか、弓道警察とか、いろいろいるらしい。

この世界観のリアリティ、私はあまり気にしない、というかむしろ突拍子もない設定のほうが好きだ。

だが私にも、リアリティを重んじる場面があることに気づいた。それは、モブキャラに近かったキャラクターが突然主人公に対して、愛について語り出したところを読んだときである。

作品の流れ上必要なシーンだったのだが、そのキャラが作中で愛にこだわるシーンは一切なく、唐突感がすごかった。

私はこういう、現実にあると違和感を覚える会話というのが苦手だなと思ったとき、ふと「リアリティの感じ方というのは人によって違うのではないか」と思った。

たとえば弓道警察の人は、日常生活の中で弓道が身近にあったのだと察せられる。それだからこそ、フィクションの中の弓矢を「リアルではない」と感じてしまうのだろう。実際の戦場では、弓道のようにきっちり矢を放つことはできないだろうのに。

私はかなり理屈っぽい性格で、世の中のさまざまなものに因果関係を求めてしまうので、作中の唐突な会話を「リアルではない」と感じてしまうのだ。実際のところ、現実では唐突な会話が頻繁に行われているのに。

このように、何がリアルであるかは、人によって違ってくるものなのだ。エンターテインメントである以上、どこかに嘘は入れなければならない。

「リアリティがない」と感想を書く前に、私と作者ではそもそも見ている「リアル」が違うのだということを念頭に置かないとな、と少し反省したのだった。