いいこと日記その1 山口果物のロールケーキを食べた
山口果物というのは、大阪にある老舗の果物店のことである。谷町六丁目の店舗にカフェを作り、かき氷やフレンチトーストを出して有名になった。
今回そこのロールケーキを食べようと思ったのは、給料日だったので、少し贅沢をしたかったという単純な理由だ。
谷町六丁目の店舗は半分がカフェスペース、半分が果物の販売コーナーになっている。店に入ってすぐ小さな冷蔵のショーケースがあり、そこにフルーツサンドやケーキなどの持ち帰りできるお菓子が並んでいる。
目当てのロールケーキは、ひと切れ300円、1本1180円という、「たまの贅沢」と呼ぶには非常に良心的な値段だった。こんな値段で出してよいのだろうか。毎日買うぞ。
せっかくなので1本のほうを箱に入れてもらい、家に持ち帰った。
晩ご飯のあとに家族でケーキを切り分け、一緒に食べた。
これが非常においしかった。
硬めでもっちりしたスポンジは、やわらかい果物の果肉をしっかり受け止めてくれる。
クリームは甘さ控えめのあっさりした味わいだ。たっぷり使われていてももたれることがない。
肝心の果物は、甘すぎず酸っぱすぎず、それでいて果物そのものの味わいがしっかりしている。ただ単純に甘いだけではないおいしさだった。
山口果物のおいしさは、ちょっと流行りとは離れている感じがするのだが、しっかり堅実においしい。「俺が考えた果物のおいしい食べ方はこれだ!」というプレゼン力がみなぎっている。
コンセプトがしっかりしているから、食べる方も安心して「おいしいおいしい」とぱくつくことができるのだと思う。
じゃんじゃん儲けてほしい店舗のひとつだが、小さい店なので混んでほしくはない。ファンとしてはそこにジレンマを感じてしまうのだった。