サンソヲシテクダサイ
追われている!
ボイラー室の奥からアイツがついてくる
湿った足音をたてながら...…
ここは地下3階。エレベーターで1階へ逃げなければ。
ボタンを連打し、素早くエレベーターに乗り込む
ー 間に合った。
乗り込むやいなや、「閉」ボタンを押すまでもなくドアが閉まり、カチャ.とロックされる音がした
ー エレベーターがロック?
- まずい。
私の本能が外に出ることを命じた
外へ出たいのだが、操作パネルが見当たらない
入ってきた筈のドアさえもが消えている
- 閉じ込められた!
無機質な音声メッセージが流れる
「サンソヲシテクダサイ」
- 酸素?
「サンソヲシテクダサイ」
天井付近でモーターが回り出す音が聞こえた
「サンソヲシテクダサイ」
ゆっくりと下降するエレベーター
垂直ではなく、滑り台の様に斜めに下っているのが分かる
少しずつ加速していく
「サンソヲシテクダサイ」
スピードを増していくエレベーター
ガタガタと音をたて始める
かごが激しく振動する
「サンソヲシテクダサイ」
- 落下する!
「ショウゲキニソナエテクダサイ」
「サンソヲシテクダサイ」
「ショウゲキニソナエテクダサイ」
- 衝突する!
床に伏せ、手で頭を囲い、衝撃に備える
「サンソヲシテクダサイ」
「ショウゲキニソナエテクダサイ」
「サンソヲシテクダサイ」
「ショウゲキニソナエテクダサイ」
「サンソヲシテクダサイ」
「ショウゲキニソナエテクダサイ」
ちゃぽんっ🐟💦
予想を裏切るチョーゆるい着水。
- エレベーターの下って水が溜まってんのかぁ
※溜まっていません
無事に着水したもののメッセージは止まらない
「サンソヲシテクダサイ」
墜落の危機を脱し冷静になった私
- 酸素をしてください って何だ?
文法が変だが言いたい事は何となく分かる
改めて周りを見回すと、状況が変わっていた
何もなかった筈の壁に、パソコンのキーボードほどの大きさのパネルが現れていた
パネルを開くと、見慣れないイラストが描かれていた
『🦅🦯⚖️⚔️🖋️👁️🗨️➰♾️』
ー 象形文字。
スマホのアプリで翻訳を試みるが解読できない
音声は止まらない
「サンソヲシテクダサイ」
突然、象形文字がにじみ出した
天井から水が浸入してくる!
エレベーターが水没し始めている!?
「サンソヲシテクダサイ」
流れ落ちる水によって文字が一文字ずつ消えていく!
「サンソヲシテクダサイ」
ー 消えてしまう前に解読しなければ!
「サンソヲシテクダサイ」
ひと文字ずつ意味を調べる
- 解読できない!
「サンソヲシテクダサイ」
あちこちから水が浸入してくる!
「サンソヲシテクダサイ」
「サンソヲシテクダサイ」
「サンソヲシテクダサイ」
足元に水が溜まり始める
- ここで死ぬんだ……
「サンソヲシテクダサイ」
膝に何かが触れた
足元に溜まった水の中で何かが揺れている
ゴムチューブだ
- ストローになる!
- これで水を飲めば助かる!
ゴムチューブで水をチューチュー吸い始める
チューチューゴクゴクと飲み続ける私。
「サンソヲシテクダサイ」
ピピピ.
「サンソヲシテ...…
ピピピ.ピピピ.
「サンソヲ……
ピピピ.ピピピ.ピピピ.
ピピピ.ピピピ.ピピピ.
目が覚めた。
17時。
仕事行こ。
・・・ あとがき ・・・
これは昨日見た夢のお話です。
夢というのは本当に不思議なものですね。
夢の中に整合性という概念など不要なのですね。
よく思うのですが、夢の中と現実世界とでは時間の速さが違うのではないかと。
今回も17時の目覚ましで起きる前、16時50分に一度目を覚ましているのです。その後の10分にも満たない時間の中で、この長い夢を見ているのですね。
象形文字の検索にかなりの時間を要しましたので、夢時間的には30分くらいは経っているはずなのに、現実世界では僅か数分なのです。不思議です。
きっと夢を見ている時の人間の脳が超高速回転をしているのだと、私はそんな風に考えています。
なお、夢で登場した事象について説明しておきますと、
まずボイラー室は、先週ボイラー室で軽く迷子になった時の記憶でしょう。
斜めのエレベーターは、テレビで見たディズニーのスプラッシュマウンテンの残像です。
象形文字は、今読んでいる小説「バビロンの秘文字」の影響です。これは間違いありません。
水漏れと浸水は台風10号ですね。
最後のチューブは、先日購入した血圧計のチューブか、先日の水道工事でわちゃわちゃにされた浄水器のチューブの影響でしょう。
メインワードの「サンソヲシテクダサイ」は、わかりませ~ん。
おそらく「空気がなくなるから、自分でなんとかしろ」という事だと思うのですが、最近酸素がらみの出来事は体験していませんので、これは謎ですね。もしかして、予知夢!?
あと書きまで長くなっちゃいまして、ど~もスミマセン。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?