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高校英語の自由進度学習 〜生徒が嫌いなのは英語じゃない〜

生徒に英語を嫌いになってほしくないと切に願う、
教育を本気で語る会英語教師のJOYです!
昨年から私立高校や民間企業で研修講師をする機会をいただき、
実践事例の共有や発信の大切さを痛感しております。
今年もスキルを磨いてまいります!
2024年最初のテーマは高校英語の自由進度学習についてです!


1 きっかけは仮定法

ここ数年、高校入試に携わる機会があり
中学校の英語の教科書をたくさん読みました。
そこで「仮定法」が教科書に取り上げられることに気付き、
後日、自分の授業で「仮定法は中学で習っていると思うけど」と言ってしまいました。
発言の直後にハッと気付きました。

「中学校に行っていない生徒もいるんだ」

幸いなことに、そのクラスは
「俺は中学校行ってませーん」
「俺は行ってたけど聞いてませーん」
「授業聞いてたけど分かりませーん」

などと、笑い飛ばしてくれ事なきを得ましたが
この発言はJOYのミスです。

中学の授業を受けていることが前提ではない。
勉強の場所は中学校だけではない。

以前に生徒との会話で
「英語は嫌いじゃないんだけど学校で勉強したくなかったんだ」
とありました。
英語を嫌いにしてしまってるのは、
学校のシステムなのかと思い猛省しました。

2 普通は〇〇でしょ?をやめた

この文法は「中学レベル」でしょ
アルファベットくらい書けるでしょ
これくらいなら普通できるでしょ

自分の教員経験の常識が子どもを苦しめてしまう。
子どもを苦しめないための手段として「自由進度学習」を始めました。
英語を勉強する前から英語が嫌いになる子はいません。
学校が嫌いでも英語を嫌いとは限りません。
英語が好きなのに学校に行けなかった子もいます。
多種多様な子どもがいることが普通です。
今どきの教師だったら普通ChatGPTくらい使えるでしょ?って言われたら
ムッとしてしまう教師もいると思います。
変化の早い現代社会についていくことも、
大人版自由進度でいいはずです。

3 大人の都合で生徒の学びを変えない

自由進度学習という言葉は教育関係者には馴染み深くなりましたが、
生徒にとってはとんだ迷惑フレーズです。
今までは勝手な勉強をしてたら怒られたのに、
今度は自分で勉強のペースを作らないといけない。

これはとてもしんどいことです。
これまでの経験の土台がないなかで、
勉強を積み上げることは難しいです。
この流れはアクティブラーニングの普及の時にもありました。
今までは授業中に喋ったら怒られていたのに、
今度は授業中に隣の人とペアワークしないと怒られる。

こんなにも大人の都合に振り回されることは、
子どもにとっての学びにはつながらないと思っていました。
同じ轍を踏まないためにも、
自分の学校の生徒に合うように加筆訂正を続けています。

4 生徒目線で授業アレンジ

JOYのアレンジの1つにスピーキングテストがあります。

ここでも定期的にブラッシュアップを加えています。
その中のひとつが録音の形式をpadletからFlipに変えたことです。
元々は別用途でpadletを使っていましたが、
本来の用途とはズレすぎていたのでFlipに変更してみました。

これを使うことで生徒の負担がぐっと減りました。
そのおかげで英語のスピーキングが嫌いではないと
生徒に言ってもらえたりもします。
英語の文法を理解するくらいなら、
自分のペースでスピーキングとリスニングをしたいとも言ってくれました。
まさにアクティブラーニングに変化しています!

Flipを使い出すきっかけは、
さる先生こと坂本良晶先生から教えていただいた、
教育版桃鉄を英語の授業で活用したことです。
Flipも桃鉄も、生徒が授業を嫌いにならないでくれる
貴重な授業コンテンツです。
次回はこれらを活用した「応用から始まる基礎学力の定着」に焦点をあてていきます!


授業を改善してくれるきっかけも、
仕事を楽しくしてくれるヒントも、
ふとした時に舞い込んでいます。
そういう貴重なチャンスを逃さないように、
対面でもオンラインでも研修や発信を続けていきます!
2024年もよろしくお願いいたします!

「教育を本気で語る会」ではX(twitter)、 Facebook、 Threads、spotifyでも発信しておりますので、そちらのフォローもよろしくお願いいたします。


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