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生徒が教師の話を聞いてくれるのは当たり前ではない

教育を本気で語る会の探究スペシャリスト、
マサです!
今回のテーマは「返報性の原理」です。
とある生徒との対話をきっかけに、
この原理を教育現場に活用できないかと考えてみました。
今回は学校と返報性についてまとめてみます!


1 願いを叶えるために

返報性の原理について改めて見直すきっかけは
生徒が「好きな人に自分の話を聞いてもらうにはどうしたらいいか?」という相談を受けたことです。
その時にマサはまっさきに
「話を聞いてもらいたかったら、まずは相手の話を聞こうよ」
と応えました。
こんな大雑把な正論をもうちょっと丁寧に説明したいと思い、
改めて丁寧に説明してみようと思い色々と探究してみました。

2 返報性の原理とは?

返報性の原理とは相手から受けた
好意や敵意などのアクションに対して、
「お返しをしたい」と感じる人間にとってごく自然な心理のことを言います。

この原理を実証した実験は数多くありますが、
中でも有名なのが心理学者であるデニス・リーガン氏が1971年に発表した論文中の実験です。

返報性は4つに分類することができます。
1つ目が「好意の返報性」です。
自分に親切にしてくれる人にはお礼をしたくなる。
いつもお菓子やお土産をくれる同僚へのお礼や、
地域の清掃や朝の交通整理をやってくだする町内会へのお礼などです。
2つ目は「敵意の返報性」です。
返報性はネガティブな要素にも適応されます。
ぶつかったら睨み返す。
睨まれたら舌打ちする。
やられたらやり返すことが敵意の返報性です。
3つ目は「譲歩の返報性」です。
セールスの世界でもよく見られますが、
思った以上の値引きを受けた時に
予算以上の商品でも買ってしまうことがありませんか?
4つ目は「自己開示の返報性」です。
相手が名前を言ってくれたら自分も名前を言う。
相手が悩みを打ち明けてくれたら
実は私も…と愚痴ってしまう。
相手が心をひらいてくれたら、
自分も言わなければ、と思ってしまうことも返報性の原理がはたらいているみたいです。
他にも、試食させてもらえたら買ってしまったりすることなど、
身の回りに返報性の原理はよく見受けます。

3 まずは相手のニーズに応える

これらを踏まえて考えてみると、
相談をしてくれた生徒に「相手が話したいことは何か?」を考えるように勧めてみました。
話したい話題を提供してくれる。
好きなグッズを時々くれる。
困ったときに助けてくれる。
このようなステップを踏まえれば、
いつか自分にも同じようなことが返ってくる。
この理屈を丁寧に説明してみたいと
マサは考えていました。
そんなときにふと、
生徒に話を聞いてもらうためには、
まずはマサが生徒の話を聞かねば?
と思いました。

4 生徒が授業を聞いてくれるとは限らない?

生徒は授業で教師の話を聞かねばならない。
この前提は「生徒が聞きたいと思える授業」があってこそです。
そのためには生徒が何を知りたいのかを教師が知る必要があります。
進学をしたいのならば方程式、
就職をしたいのならば税率、
遊びたいのならばオッズの計算など、
学びの方向は様々です。
また、熱中症で倒れた生徒の介抱をした翌日、
その生徒が授業を真剣に聞いてくれるようになりました。
今までは窓の外ばかり眺めてた生徒が、
マサの介抱に感謝を感じて返報してくれたのではないか。
そんなことを感じていたら
「生徒が困っていることは何かないか?」
と、アンテナを高くはることができるようになりました!

生徒との対話というささいなきっかけで、
改めて授業の大切さを痛感しました。
生徒が話を聞いてくれることは当たり前ではない。
聞いてもらえる努力をまずは教師がするべきだ。
健康面のサポートだけでなく、
進路相談や恋愛相談、
清掃活動や学校行事など、
もっと生徒の「かゆいところに手が届く」ように
目配りと気配りを頑張りたいと思います!

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