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北京の若者の山歩きブーム

Vol 9  中国北京  30代 金融業界

Kerさんは、友人からの紹介でWeChatを通じて知り合った30代で北京の人です。「独身女性で、金融の修士号を持っていて、優しくソフトに見えるが、実はタフで決断力がある」との自己紹介でした。

コロナ期間に始めた山歩き

Kerさんの余暇生活がとても豊かであると聞き、どんなサードプレイスを持っているのかと尋ねると、しばらくして答えが返ってきました。

自分の "サードプレイス "はどこだろうと考え、最終的にはアウトドアの山歩きであるときめました。

Kerさんは、北京の若者の山歩きとその活動から得たものを生き生きと綴りました。読者にその体験を原文のまま共有してもらうため、以下は彼女が書いたものをそのまま引用しています。

近年、激しい仕事や勉強をする都市部の若者の間で、登山・山歩きという新しいアウトドア活動への関心が高まっています。

山に囲まれた北京は、郊外に行けば、車で1~2時間程度で自然と触れ合うことができます。特に、北京への出入りが難しいコロナ期には、北京郊外の山々に多くの若者が集まり、山歩きを始めました。

山歩きからの刺激

2022年の初夏、偶然の出会いを通じて、毎週末に一度、山歩きをするようになりました。11月までに北京近郊の山に計14回登り、河北省の山間でのキャンプに1回参加しました。

特に珍しいのは、これらの山歩きのほとんどがコロナ期にタイミングを見図って、勇気をもって行われたことです(私自身は今でもコロナにかかったことはありません)。

2022年は、多くの中国人にとって大変な一年でした。コロナの予防対策による管制、頻繁なコロナ検査、さらには隔離管制などの思い出を経験した民衆は多数いました。

しかし、私の思い出は、同じような虚しい体験だけでなく、山歩きがもたらしてくれた明るさや喜び、慰めや癒やしもありました。

山歩きの目的地はほとんど非観光地で、ルートは茨の道で、下見をしたリーダーの引率によって、チームメイトと一緒に道を開きながら進みました。

ルートは基本的に10km以上、登りは500m~1500mで、週末の山歩きはほぼ丸一日かかり、勇気と体力が試されます。

朝6時にリュックを背負って出発し、都心部の自宅に戻るのは夜22時頃ということが多いです。1日のうちに、昼は人里離れた爽やかな山間部、夜は大都会の金融街の喧騒の山間部と都会、にぎやかな楽しみと厳しい修行など、いろいろなことを考えずにはいられなくなります。

山歩きから得られるエネルギーは、心身のあらゆるところに深く浸透していると言えるでしょう。

山歩き途中でのエピソード

  • 最も危険でエキサイティング長城登りーー箭扣西段


未修繕の箭扣長城は、明代の万里の長城の中でも特に有名で危険な区間で、古代の長城の原風景を堪能することができるものです。

信頼できるチームメイトと一緒だったので、事前の下調べはあまりしませんでした。
しかし、古代長城の部分に入ると、独特の荒涼感、歴史の刻み、雄大さ、危険さ、加えて、廃墟となった長城の階段と壁、野生の木と枯枝が目に入りました。景勝地で普通に人がいる長城とは別世界であることを体験できました。

危険な峰を登りきった後、私はチームメイトに尋ねました。"このトレイルで最も危険な部分はまだですか?" チームメイトは笑いながら、「それは、あなたが今登ってきた区間よ!」と言いました。"怖くなかったなんて信じられない "と。

私も笑いました。本当に登り一心で、何の気兼ねもなくゴールしたのですから。

客観的に見れば、「知らぬが仏」という真理があったからこそ、危険な通過を無事にクリアできたのだと思います。私は帰りの車の中で、「エキサイティングな野長城を登った後、景勝地の万里の長城というのは退屈なものと感じた」と言いました。

  • 最も楽しかった山間の川沿い

北京郊外の密雲霧霊山脈の峡谷にある曲がりくねった清水河沿いで、我々は川の両岸を歩きながら、水かけ合戦をして盛り上がりました。

その際、メンバーの一人は母親で、6歳の息子を連れてきました。その男の子は、ハイテンションで、水鉄砲で得体の知れない弾幕を敵と思う相手に撃ち込んでいました。

チームには若い男性と女性もいて、彼らは日常の職場で紳士や淑女の仮面を脱いで大きな子供になり、より好戦的でクレイジーになりました。

あの時、私は体調不良でプレイできなかったことを悔やみましたが、観客としても興奮に包まれ、終始大笑いでした。

帰り道、車内を見渡すと、ほとんどの人が目をつぶって休み、ほほ笑んでいるように見えました。忙しい大都会で、これほど童心に返り、明るい気持ちになれるのは珍しいことです。

  • 最も印象的な7月のキャンプ

河北省で最も標高が高く、村民の数が最も少ない村がキャンプ場です。山に囲まれ、草木が生い茂り、空気が新鮮で、さすがに「北京郊外の小さなスイス」の称号を持つ場所です。

いくつもの山を越えてキャンプ場に到着すると、遠くには山の間に立つ白い風車、近くにはエキゾチックな花々、泉の音が響き渡り、思い出に残るリラックスした時間を過ごすことができました。

夜は、星空の下、チーム全員が食事しました。沸騰した鍋と焼かれている肉の串の香り、そして絶えない笑いが夜空に響き渡ります。

最後は、幼少期の記憶の集合体である歌を合唱しました。「粋に生きよう、世界の繁栄を分かち合おう、心の喜びをワインに歌おう、青春の歳月を輝かそう」。

昨日は高層ビルの一室でプロジェクトのことで悩んでいたのに、1日後には夢のような涼しい場所でお酒を飲んで歌って、本当にその瞬間に感動し、思い切って楽しでいたんです。

图片提供:ker

(続き)

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