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世界に根を下ろした中国の富豪たち‐国籍変更の裏には何があったのか?
はじめに
中国式鍋「火鍋」の王様-「海底捞 創業者-張勇」
学生ローン危機からEC帝国へ「東海集団代表 代表李小冬」
囚人から不動産王へ-「孫宏斌‐融創グループ代表」
都市開発の夢は世界へ‐「楊惠奸-碧桂園グループ代表」
結びに
はじめに
グローバルな社会が誕生してから人の移動は普遍的なものですが、中国系の移民、いわゆる華僑は世界各地に進出しております。前回記事情報‐
(横浜中華街のような、中華街は世界に存在する)
「華僑」いわゆる在外中国人として生きていくことを選ぶ人たちもいる一方、「華人」としてルーツを残しつつも国籍を変える中国人も多々おります。今回は国籍を変えた、中国系の億万長者についてご紹介させていただきます。
(2020年の世界移民報告によると、海外移民を選択した億万長者が1番多かったのは中国だった。)
中国式鍋「火鍋」の王様-「海底捞 創業者-張勇」
成長を遂げた中国飲食業の中でも鍋料理の最大手「海底捞」は、世界を席巻しつつあります。中国本土のみならず世界規模で出店を進める同グループの代表、張勇氏は現在シンガポール国籍を習得した、華人としての道を選んでいます。現在同氏の資産総額は1380億ドル=2兆円超の資産を保有し、シンガポールで1番の富豪と知られています。
(学歴なし、技術無し、資金なしから上り詰めた張氏)
工業高校を卒業した張氏は当初技術者として働いていましたが、起業に挑戦。複数回の失敗を経た後、料理が出来ないにも関わらず偶然、鍋料理店「海底捞」を開きます。
味では決して注目されていなかった海底捞ですが、丁寧な接客態度で好評を得ていきます。「私たちが売るのは、火鍋ではなくサービスだ」、張氏の経営理念です。
(来客の靴磨きから、パフォーマンスなどの幅広い接客は有名)
2012年には初の海外出店としてシンガポールに展開後、張氏は夫人とともにシンガポール国籍を習得、中国国籍を放棄しました。シンガポールの税制や海外ビジネス起点としての価値にひかれたそうです。
(日本でも同社の火鍋は楽しめます)
学生ローン危機からEC帝国へ「東海集団代表 代表李小冬」
わずかながらの現金しか持たず、加えて数百万円にわたる学生ローンを抱えての海外移住。この逆境の中で成功したのがが李小冬氏です。彼はこの逆境から10年で、東海集団をシンガポールで成長させアメリカでの上場まで導きます。
(時価総額900億米ドルまで同社は成長した)
天津で生まれた李氏は卒業後のサラリーマン勤務に飽き飽きしたのち、銀行へ12万米ドルの相当の学費ローンを組み上げました。一人アメリカスタンフォード大学のMBA課程に入学した同氏、そこでシンガポール籍の将来の夫人に出会います。中国の家族の後押しを受け、李氏はMBA卒業後にシンガポールへ渡ります。
(愛のために、シンガポールを選んだ)
当初は苦戦した李氏のシンガポールビジネスは、オンラインゲーム企業「Garena」社の成功で軌道に乗ります。続けてのECビジネスで規模を拡大し、グループ全体を管理する東海集団は彼が愛するシンガポールで成長を続けいています。
(シンガポールECの未来を担う同社)
囚人から不動産王へ-「孫宏斌‐融創グループ代表」
刑務所内への収監からの億万長者へ、これが孫宏斌氏の歩んできた道のりです。名門大学清華大学を卒業した孫氏は、大手デジタルメーカーのLenovoグループにて、幹部に任命されます。順風満帆に見えた孫氏ですが、横領の疑いでグループ代表から起訴、刑務所へ収監されます。
(思いもよらない挫折を味わった孫氏)
1年後に出所した孫氏を待ち受けていたのは思いもよらない運命。なんと自信を起訴した上司、柳伝志代表から50万米ドルの融資を受けて、起業を勧められます。孫氏はこの資金を基に融創グループを立ち上げ1代で、中国有数の不動産企業を作り上げました。
(複雑な関係がうかがい知れる柳伝志氏と孫宏斌氏)
09年にハーバード大学の学位を修得し、アメリカ国籍を習得、中国国籍を放棄しました。中国第3位の慈善事業家の彼は、ビジネスの根幹は中国にありと明言しております。
(ビジネスの多様性が予想される同グループ)
都市開発の夢は世界へ‐「楊惠奸-碧桂園グループ代表」
以前ご紹介させていいただいた、フォレストシテイをはじめ各地で都市開発を進める碧桂園グループ。(前回記事をご参照ください)
現代表は楊惠奸、女性企業家の彼女ですが、キプロス国籍という珍しい国籍を習得しています。
碧桂園グループは家族経営の企業であり、彼女の資産も多くは先代からの比重が占めております。キプロスの国籍を彼女が選んだのは2018年。ではなぜキプロス国籍なのでしょうか?
(パワフルな女性企業家と知られる彼女)
キプロスは2重国籍の認証をしており、複数ヶ国の国籍を同時に保有できます。加えてEU圏での自由な行動、同圏ではもっとも低い各種税制度を保有しており、この利便性が国籍習得の決め手となったのでしょう。
(地中海に浮かぶ、EU圏の最東端キプロス共和国)
結びに
国籍習得という人生の一大岐路。中国富豪たちと私たちは同じ選択をするのでしょうか?
参考文献
筆者連絡先
FB:https://www.facebook.com/profile.php?id=100004295732853
Wechat ID:YUKIKATOU888
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