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【シン・柔道整復学 奏論】講義10.タンパク質の構造

これまでの記事では、ポリペプチドの合成について話してきました。

そのポリペプチドが折りたたまれてタンパク質を構成します。

何度も言っていますが、構造が→性質やはたらきを作りますので、基礎的なことはしっかり押さえておきましょう。

この記事を読むと、↓この画像の意味がなんとなくわかります。

タンパク質の話が終われば、生理学的な内容や各論に入っていきたいと思っていますので、モチベーション高くいきましょう!

タンパク質の構造が機能となる

この図を見てもらうとわかると思いますが、1次構造→2次構造→3次構造→4次構造となって、機能を形成するのです。

本当は漢数字で書くのがセオリーなんですが、視認性が悪いのでこの記事では1、2と表記します。

わけわかんないと思いますが、説明するので大丈夫です。

まずは全体を捉えてから、詳しくはどうなっているのだろうと調べてください。

「機能」の先に矢印で色々と書いてありますが、構造を獲得したタンパク質が、ある物質を活性化させたり、細胞の形を維持したり、筋肉となって動いたり、細胞膜で物質の透過の門番になったり、情報を伝えたりするのです。

では、1次とか2次とか、それってなんだろうってことを見ていきましょう。

一次構造

ひとことで言えば、タンパク質の1次構造とは「アミノ酸配列」のことです。

第9回でアミノ酸がペプチド結合してポリペプチドを作るとお話ししましたが、このアミノ酸が1列に並んだ姿を1次構造と言います。

めちゃくちゃ小さい粒が数珠つなぎになっているだけの状態と理解してください!

これは言わば「線」なので、2次元的な構造と認識してください。

ちなみに世界で初めて1次構造が解読されたのは、あの有名なインスリン(insulin)で、1950年あたりだそうです。

この構造の時点では、まだタンパク質とは呼べず、だいたい3次構造からをタンパク質と呼んだりします。

二次構造

皆さんはアルファヘリックスとか、ベータシートとかって聞いたことがありますか?

そう、それが2次構造のハナシです!

2次構造とは、ひとことで言うと「1次構造が繰り返しクルクルしたりパタパタ折りたたまれたりしたもの」です。

1次構造が「線」だったのに対して、「太さ」や「平面」を作るので3次元的な構造とも言えます。

はっきりとこの2次構造をとっていないものも40%くらいあるのですが、60%くらいは「αヘリックス」か「βシート」というはっきりとした構造を取ります。

はっきりしないものは「ランダムコイル」とかって言ったりしますが、これは特に覚えなくていいです。

αヘリックス

クルクルした図は、もちろん簡略化された図なんですが、分子同士のつながりの位置関係によってクルクルします。

これをαヘリックス構造と言います。

この図のC(炭素原子)に対するO(酸素原子)の位置関係(CO基)を見て欲しいのですが、全部カルボキシ末端(図で言うと下)を向いていますよね。

そのCO基(CとOの繋がった部分)がNH基(NとHの繋がった部分)が水素結合をしているため、全部が同じ向きを向いて、円筒状になるのです。

クルクル巻いてるのがアルファヘリックスと覚えましょう。helixは「らせん」という意味です。

らせん構造は→安定するとDNAの構造の際に話した通り、タンパク質を見てみるとほとんどでこのαヘリックス構造が見られます。

βシート

クネクネして平らな感じになったものをβシート構造と呼びますが、これも分子のつながり方によって向きが生じます。

αヘリックスが縦に方向性を持って分子がつながっていたのに対して、βシートはβ鎖(上図のクネクネした矢印1つ)が横に繋がっていますね。

緑の点線はαヘリックスと同じで、水素結合を表していますよ!

1方向にアミノ酸が進んで連なったものがβ鎖で、グイッと180度ターンして最初の鎖の横にまたβ鎖を作って、また180度向きを変えて….そうやってシートを作ります。

この方向転換をβターンと言ったりしますが、特に覚えなくていいです。

そして実は、βシートはあんまり見られない構造でして、αヘリックスばっかりです。

三次構造

3次構造はひとことで言うと「2次構造たちをコンパクトにまとめたもの」です。

複数の2次構造が組み合わさってできたのが3次構造だと思っていいです。

上図はヘモグロビンの一部を分解して描いたものですが、見てわかる通り、αヘリックスがいくつか集まっていますよね。

これは3次構造と呼んでいいと思います。

四次構造

4次構造とは、3次構造が集まったものです。

はい、最初に出したこの画像ですが、ヘモグロビンは4量体と言って、4つのサブユニットが集まってできている物体です。

先ほどの3次構造が4つ集まって、ヘモグロビンという4次構造を作っているのです。

どうでしょうか、複雑な図にも見えますが、クルクルしたαヘリックスが集まったものが、さらに4つ集まってできていると考えると、単純な構造でしょ?

ペプチドの折りたたみ

1次構造のものが、2、3、4構造へとどんどん折りたたまれることによって特定の機能を持つタンパク質が生まれます。

このような折りたたみ構造が壊されることを、タンパク質の変性と言います。

卵を茹でたら、固まるでしょ?

あれは卵のタンパク質の3次構造が崩れた状態なんです。

茹でる前はトロトロしてるけど、茹でると固まるのは、まさに構造の変化で性質が変わっている証拠なんですね。



さて、ここまで記事を読まれた方はDNAからタンパク質の成り立ちまで説明できるようになっているはずです!

次回もお楽しみに。

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