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【撮影から読影まで完全網羅】 橈骨遠位端骨折のエコーを実際の画像で徹底解説! 誰も教えてくれない整復のためのエコー術!

修正・加筆
※〔4/5修正〕実践編 3)のエコー画像Bについての説明イラスト中に誤りがありましたので修正しました。

この記事に興味を持って頂き、ありがとうございます。ほねゆきと申します。私のことをあまり知らない人は下記のツイートに飛んでみてください。知っている人は読み飛ばして頂いて構いません。

簡単に自己紹介させていただくと、以下の通りです。

・柔道整復師
・臨床歴27年(病院、整形外科、接骨院)でずっと外傷施術の勉強をしてきた
・柔整学校で長年講師も勤めた
・ブログを長年やっており、最近既卒柔整師向けにリニューアル
・コネで医科学修士(九州大学大学院卒、医学専攻、構造機能医学講座)
・立場が発言を制限するため現在は匿名で活動

正直、この記事を書くにあたってすごく悩みました。小手先だけの技術を伝えても、読者がそれを間違った形で患者さんに提供してしまい、患者さんが不利益を被ることがあればこの記事を書いた私の責任も大きいからです。

しかし、それは知識や技術を正しく伝えられない場合であって、〇〇式整復法や〇〇式撮影法などといった「方法論」だけを伝えるということをしなければ、ほとんどの場合で安全です。小手先の技術だけを教えて、そこに行くまでの思考法や過程をすっ飛ばしてしまうと事故が起きるのです。

今回はその「過程」を大事に説明するという事を前提に、記事を執筆すると決めました。実際の私のエコー撮影法も登場しますがその思考過程も大事ですので、ここはいいかと読み飛ばすことなく、しっかりと内容を理解されてください。

※この記事は第1弾【受傷から転位を考える】橈骨遠位端骨折はどのようにして起こるのか!整復や画像読影のための骨折理論を徹底精巧の続編となっております。第1弾で解説した"橈骨遠位端骨折の転位の成り立ち"についてはこの記事では詳しく説明しませんので、気になる方は先にそちらを読んでください。

また、この記事の購入者には特典が付いてきます。

1.記事は今後さらに更新予定
この記事は読者の質問により進化します。この記事を購入された方から、「ここが分かりにくい」、「このシェーマを追加して欲しい」、「この場合はどうなるんですか?」などの声があれば出来るだけ対応し、記事を常に最新化(追記)します。普通の書籍にはそんな機能ありませんから、かなり先進的な取り組みでしょう。買って読んだらおしまいではありません。

2.質問できる
この記事には質問できる権利が付属します。
もちろん購入者に限りますが、この記事の内容に対する質問は常に受け付け、分かる範囲でお答えします。公式LINEにてDMを頂ければ個別に対応いたします。多くの執筆者は"読者の理解を深める"ことを目的にしていません。正直、労力はハンパないですが、私はこの知識を臨床に活かして欲しいという思いが強く、このような取り組みをします。売ってお終いではありません。詳しくは記事の最後に記載しています。このようなアフターフォローを行う執筆者は聞いたことありません

今回、ほねゆき(ツイッター @honeyuki_blog,外傷柔整師ほねゆのブログ)の書く2回目のnoteです。第1章で関節面の転位の仕方について書きましたが、今回はその転位を踏まえてエコー撮影のポイントや考え方について詳しく書いていきたいと思います。

柔整師ならではの「整復に活かすための転位を読むエコー術」を、ここまで完璧に臨床に沿った形で解説する書籍やコンテンツはほぼありません。

昨今ありがちなのが、いろいろな文献に書いてある情報を寄せ集めただけの「それっぽい記事」です。

本当に臨床の現場で数百件の橈骨遠位端骨折の整復固定を行い、治癒まで経過をみたことのある人が書いた記事は今まで見たことがありません。

そういった意味でもこの記事は、整形外科に勤務している柔整師や外傷の来る接骨院で働いている柔整師、もしくはこれから本格的に臨床の現場で外傷を勉強していきたいと思っている柔整師にはぴったりな内容となっていると思います。

この記事では、私が経験した実際の症例のレントゲン画像・エコー画像を特別に提示した上で、エコーの仕組み〜実際の撮影、画像読解の練習〜解説まですべて記載しています。実際のレントゲン・CTの画像もあります。

第1章では、基礎的な骨片転位について解説しました。この第2章のみ読んでも内容は理解できるとは思いますが、その基礎をすっ飛ばしては臨床ですぐに知識を役立てることは出来ないため、理解が追いついていないひとは必ず第1章を復習をしてください。

この記事は、現場で ”できる” 柔整師を増やすために執筆してます。

接骨院を運営している方はエコーが正しく使えると集客のネタにもなります。

この記事に辿り着いた時点であなたは柔整師の中では少数派であり、貴重な存在です。患者さんの負担に最大限配慮した保存療法を行える柔整師はそれだけで価値がありますし、開業した際には確実に差別化につながります。

現にほねゆきは外傷の患者さんのみで接骨院を運営しており、正直、敵は整形外科を含めてもいません。保存療法のニーズは絶えず存在するにも関わらず提供者は少ないのです。

というわけで、この導入を読んでいるだけでもあなたは希少な存在です。

実際、ほねゆきの接骨院でもコロナ禍に入って保存療法のニーズが伸びていることを実感しています。

「病院で転位軽度だといわれ、保存療法となったがコロナの影響で通院が2週間に一回しかだめと言われて心配」

「術前のPCR検査で偽陽性となり、コロナ受け入れ病院へ転院してから手術しないといけなくなった。転院はしたくないと伝えると、手術でなくてもそれほど後遺症はでないからと保存療法に変更されたが、治療はしてもらってない」

などという患者さんが(一部のひとだけかもしれませんが)実際にいます。そうやって不安に思って接骨院や開業の整形外科を受診して、あなたの目の前に来た時に、あなたが何をできるかによって、真価が問われます。

エコーにて転位をしっかり確認できれば、整復するにしてもそこに根拠を持てますし、そのまま対診するにしても患者さんに適切に説明できれば、次の来院に繋がります。

整形外科でのなんとなくの保存療法より少し質の高い保存療法を提供できるだけでも、社会にとって非常に価値のある柔整師になり得るのです。

ただ、そんな柔整師が少ない。

特別なことを行う必要はありません。今回の記事で書いているような基本的なことを知っているだけでいいのです。

実際に、柔整師の免許をとった人のなかでも、

「エコーはあるけど生かしきれていない」
「エコーをどう撮っていいか分からない」
「整復の前後でなんとなく見ているだけ」
「うまく整復できたかどうかの判断も自信がない」
「エコーで何が写っているか分からない」

こんな方が多いのではないでしょうか。

また、橈骨遠位端骨折のエコーや整復を多く経験している先生でも、

「頭では分かっていても言語化して後輩に伝えられない」
「エコーで骨折の有無は分かるけど、転位は読めない」
「レントゲンとエコーの像が一致しない」
「体系化されたエコーの撮影法がない」

など、いろいろな立場の方がさまざまな悩みを持っていると思います。

私はこれまでに修行時代、教員時代、整形外科勤務時代、接骨院開業以降も多くの骨折患者さんを診てきました。エコーは15年前から実際に使っており、骨折の治癒過程におけるエコー画像の見え方についての論文発表も行いました。

その経験を活かしつつ、外傷を「考える力」を持って診ることができる柔整師のための質の良い内容になるようにnoteを執筆しています。

このnoteは、

・橈骨遠位端骨折への苦手意識をなくしたい方
・ほねゆきの骨折に対する考え方を知りたい方
・接骨院にて橈骨遠位端骨折を診ていきたいと思っている方
・橈骨遠位端骨折に対してどこをエコーでみるべきか知りたい方
・正直、盲目的にエコーを当てているだけの方
・外傷施術+エコーで売上を伸ばしたい方
・整形勤務で技術を固めて昇給や独立を狙いたい方

などの、臨床現場においてしっかりと理論をもってエコーや整復を行いたいと思っている方や、実践的な知識を将来のためにしっかりと付けておきたいという方におすすめです。

逆にこのnoteを読むことをおすすめしないのは、

・すでに外傷の知識が十分にあって何も勉強することがない方
・理論は関係なく、エコー撮影できれば良い方
・外傷をみることを諦めている方
・柔整師が橈骨遠位端骨折を診ることに意味がないと思っている方
・〇〇式エコー術などを知って知識コレクターになりたい方
・技術をお金に変えるモチベーションがない方
・論文で発表された事象以外の知識は頭に入れたくない方
・文字を読むことに耐性がない方
・結論だけ聞ければいいと思っている方

などです。上記の方は、このnoteを読んでも得はありませんので、今すぐにページを閉じてください。外傷施術において「この傷病にはこの方法!」みたいなものは存在しません。

※私が行なっているセミナーではエコーの練習会と称して今回の記事と全く同じ内容を扱いますが、単回で3万円を頂いています。

すべての外傷において共通するのは「考え方」のみです。方法論はすべてには当てはまりません。

昨今はSNSが発達して個人で情報を発信できるようになりました。それが故に、自分を誇大に表現して自分にとってのイエスマンを集め、カモにし、お金を巻き上げるような人が少なくありません。そして、不運なことに当事者はカモにされている実感がありません。

外傷施術においても例外ではなく、

「この整復をすれば保存療法へ移行できる!」
「エコーはココだけみればそれでいい!」
「とにかく対抗牽引が一番大事!」
「オペの方が成績がいいに決まっている!」

のような、どちらか一方のみを正しいと言い切るような意見には注意が必要です。

物事の本質を見失い、ひとつの方法論を絶対的なものとするような風潮には非常に違和感・危機感を感じています。

事象が変わっても、物事の捉え方が一定していればおのずと正解は導き出せますし、基本的にはだれでも同じ正解に辿り着けます。

それほど、物事の捉え方は大事です。

「もう社内で十分勉強したから大丈夫!」と思っているような方でも、新しい発見が絶対にあるとおもいますので、今回の記事は何度もよく読んでみてください。

今回も、橈骨遠位端骨折の中でも成人の伸展型(コーレスタイプ)の定型的な転位のものを例に挙げて解説していきたいと思います。しかし、何度も言いますが基本的な考えはそのほかのタイプに対しても通用します。

では、レッツゴー!!

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