主婦アンケートでレタス白書
『レタスクラブ』からわたし主宰の読者グループを作り、アンケートでページを構成したいというオファーがあった。
1994年当時、アンケートを集めるといったら道具はファクスだ。
投稿欄の常連読者を中心としたチームに、質問ファクスを送って回答してもらい、わたしはそれを読んで面白い答えをピックアップ、コメントをつけて見開きの記事にする。
連載タイトルは「爆笑タイムズ」に決まった。
漫画家の田島みるくさんが3コマ漫画で迫力を加えてくれる。
第1回のテーマは「うちの冷蔵庫のビンテージ物」だった。
すさまじい回答が集まり、編集者と爆笑したものだ。
年末には「うちのお雑煮」を書いてもらったところ、角餅と丸餅の境界線はフォッサマグナあたりか、などどいう仮説が立てられて学術的な意味も生まれた連載だった(ほんとか)。
立体企画として「納豆の食べ方グランプリ」を開催したこともある。
納豆にありとあらゆる味付けやトッピングをしてみて、いちばんおいしいものを決めるのだ。
キッチンスタジオでご飯を炊き、編集者たちと、納豆パックをかき混ぜにかき混ぜた。
そこに、ケチャップ、ソース、マヨネーズ、唐辛子、チーズ、豆板醤、ナンプラー、オイスターソース...などなどを入れて、ご飯で食べる。
納豆の懐深さを痛感する実験となったが、これはやめたほうがいい、と満場が一致したのがソースだった。
反対にもっともおいしかったのがあられ切りのチーズとマヨネーズ。
まろやかさが増してこくが出る。
マヨネーズはいまでもわたしの定番になっている。
デスク、担当編集者、アシスタント、全員とすごく気が合って、楽しかった。
内容の面白さはもちろん、読者ファクス会員のウィットによるものである。
人気ページになって連載は5年以上続いた。
担当編集者が企画して2000年に単行本にもなる。
フリーランス人生、なんでも一人でやってきたつもりだったけれど、チームで作りあげる素晴らしさを教えてもらった仕事だ。
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