りばいばる#027 困難続きの3日目
これは2016年11月8日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。
2016年10月26日(水) オランダ滞在3日目の早朝。
時差ボケの為、前日の夕方に何も食べず寝てしまった子供達が午前4時台に起き出して来ました。
次女、三女、四女にはスーパーで買っておいたパンやドーナツを与え、アレルギー持ちの長女には日本から持って来たレンジでチンの赤飯を食べさせようと、キッチンに備え付けのIHコンロに、IKEAで買って来たナベに水を張り、電源を入れるも表示がしばらく点滅してから消えるという現象が続き、結局IHコンロが使えないと判断した為、チップスなどのお菓子で我慢してもらうはめになってしまいました。
国内の引越なら電化製品なんかも、ちゃちゃっと引越の荷物の中から取り出してコンセントに差せば即使えるのですが、自分達よりも1週間程先に送った大方の海外引越荷物の到着は11月末~12月頭の予定。
3~5日で届くと言われるEMS(国際郵便)も未だ届かず、いや、ちゃんと届くかも未定なのでないものとしなければならず。
初めての街でもスマホでちょちょいと調べれば近所に何屋さんがあって、地図アプリでナビが出来て・・・ですが、ここは初めて来たヨーロッパのオランダ。
携帯も繋がらなければ、その辺の人に聞こうにもビビって簡単にはトライ出来ずw
とにかくフリーWifiのあるスーパーに全員で繰り出し、コーディネーターさんにLINEでIHコンロが使えず困っている旨を伝えると、即不動産屋に伝えてくれ、昼頃に不動産屋が家に来ることになりました。
めぼしい食材や水や見たことのない飲み物やお菓子なんかをスーパーで買い込んで、家に帰り今度は早急に必要な電化製品を揃えようということで、僕一人で街に繰り出すことになりました。
先程のスーパーのある辺りが、いわゆる繁華街のような感じなので、ここにいけば間違いないと思い、再度出向くと、スーパーの隣に日本で言ういわゆるヤマダ電機やジョーシン電機みたいな、BCCという電化製品取扱い店を発見し、迷わず中へ。
ありました。ありました。日常生活を快適に送る為の人類の英知の賜物。とりあえずTV、電子レンジ、掃除機、ドライヤーを購入すべく、店内を見回ります。
オランダで一人での大きな買い物ミッション。日本の様に店員さんが寄って来て、全て揃えるまで付き添ってくれ説明してくれ、値引いてくれるなんてことはまったく期待できなさそうなので、自分で全て買う物を決め、なるべく優しそうな店員に声をかけようと様子を伺うこと30分。意を決して中東系のヒゲの生えた背の高い若めの店員に
僕「エクスキューズミー。アイウォントゥーティヴィ アンド マイクロウェーブ アンド クリーナー アンド モア。」
店員「ワット? ♪★◯×↑◆△■☆」
僕「アイウォントゥーティヴィ。アイ セレクティッド。プリーズ フォローミー。」
(一つだけ見つけたPanasonicのTVの所まで連れて行き)
僕「プリーズ ディス。」
店員「このメーカーのでいいのか?」
僕「イエス。メイドインジャパン!」(得意気に)
店員「I don't know.(知らないね)とりあえずTVを買うならこっちへ来な。」
とTV専用受付みたいな所に座らされ、住所と電話番号を尋ねられ、土曜日に届くという旨を伝えられ、プリントアウトしたオーダー表を渡されレジに促され、支払いさせられ、一旦ゲートみたいな所から店外に出されました。
再度入口のゲートを通り、さっきの店員の所へ行って
「アイウォントゥー マイクロウェーブ アンド クリーナーOK?」
と言うと、「本当に買うのか?」みたいなこと怪訝な顔をされながらその店員を従えて、電子レンジコーナーに向かいました。
今度は目を付けていたHITACHIの電子レンジを「アイウォントゥー ディス。」と指差すと、近くに設置してあるパソコンをたたき、「SOLD OUT。現物しかない。」とのこと。「デリバリー OK?」と聞くと「NO」と言うのでHITACHIのレンジはあきらめて、少し高いSHARPのレンジに鞍替えすると今度は在庫あり。
これも送って欲しいとパソコンをたたいてもらうとさっきのTVと一緒に届けられるとのこと。これでマイクロウェーブクリア。(電子レンジの英訳は妻のレクチャー済です。)
次は掃除機のコーナーへ行き、340ユーロの憧れだったダイソンのコードレス掃除機を指差すも、これまた在庫切れだったのでしゃーなしで399ユーロのダイソンのV6とやらを選択。
近くにあったドライヤーの中で、美容ディーラー時代にも取扱いのあったベビリス(イタリヤ製)のドライヤーも購入し、ダイソンの大きな箱とドライヤーの箱を持って再びレジへ。
ディスプレイされている商品の近くに、その商品が箱ごと積んであり、それをレジまで持って行くという買い物の仕方が主流のようです。
会計を済ませると、日本のようにプラスティックの持ち手をつけてくれる様なサービスなんぞもちろん存在せず、現物のままハイどうぞとまたまた出口のゲートから追い出されました。
日本では大口の客として「ありがとうございましたー!」と心地良く送り出されるところでしょうが、この国では、あんたが必要だから買っただけでしょ?と言わんばかりのドライな対応で、初の一人での大きな買い物を終えました。
自分の中でそんなもんだろうというスイッチが入っていたのか、特に腹が立つわけでもなく掃除機の大きな箱とドライヤーを抱えて、約15分かかる家路を急ぎました。
現在はしっかり店員さんが「いらっしゃいませ〜何をお探しですか〜?」と寄って来てくれることも多くなりました。お店によって差はあるかもしれませんが、色々な所で随分サービスが良くなったと感じることが多くなりました。
ちなみにそのBBCという電化製品屋の品揃えは「PHILIPS」というメーカーがメインで、次いで「SAMSUNG」「T-FAL」といった感じで、日本の「Panasonic」「SHARP」「HITACHI」「Sony」等は見かけはするものの、全体の10%程度という印象でメイドインジャパンのシェア率が低いのを肌で感じました。
帰り際にポストNLに寄るとルーターが届いていましたが、店主らしき老夫婦とカタコト英語が噛み合ず、パスポートのナンバーを控えられ、ようやくルーターをゲット。家までの残り約100m、ヒィヒィ言いながら荷物を運び、ようやく我が家に到着。
帰った頃にちょうど不動産屋のお兄さんが来て、IHを調べまくった結果
「分からないなあ。今日中に何とかするよう努力するよ」
と言って帰って行きましたが、こちらに連絡手段もないのでそれから2日間何の音沙汰もないという状態でした。
次にルーターの箱を開けて、渇望しているネットの接続を試みるも、どうやってもルーターからWifiの反応がなく、ネットの接続もおあずけという状態に。
なかなか日常生活を取り戻せないまま疲れ果てて夜が来てしまい、この日の晩ご飯は駅構内にあるハンバーガーショップのテイクアウト。
子供達はまたまたポテトをがっつき、まだまだ時差ボケの為、早い時間に眠りに落ちました。
日本で何不自由なく生活していた為、異国の地に来た時の想像力がなかなか及ばず、更にキッチンのコンロが使えず、お湯も湧かせないという状況は想定外で、アレルギー持ちの長女を始め、満足に食べ物を用意してやれない状況に3日目にして少し心が折れそうになってしまいました。
「こんなところで負けられない!」
この飽食の時代に満足に食べられないという経験により、まだ小さいということもありますが、食事をよく残していた子供達に食べ物の貴重さ、食べることの大切さを身を以て体験出来たとポジティブに捉え、明日目覚めたら新しい1日が始まる!と自分に言い聞かせ、3日目を終えました。
とにかく移住を閃いてから4ヶ月程度だったので、リサーチ不足だったのは否めません。今ではいろんな方々がブログなどを発信してくれる様になり、検索すればあらゆる情報が手に入りますが、4年前はまだまだ限られていました。
そんな経験からか、自分の体験を書き記しておこうという思いが強まり、現在に至ります。
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