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りばいばる#126 オランダ現地小学校レポート

これは2018年3月18日にAmebloに投稿した記事の"りばいばる"です。

娘達がオランダの現地小学校に通い始めてから、1年4ヶ月程経ちましたが、日本で生まれ育った身としてはオランダ人には当然であろう現地小学校の流れみたいなものが体に染み付いていないので、まだまだ現地小学校の実態は謎に包まれている状態です。

ずっと気になりながら生活基盤を整えるのに必死だった(今でもですが)当初よりは幾分か落ち着き、毎週金曜日のボランティアオランダ語お茶会や、遠足の付き添い、保護者面談、授業参観などで学校内に入る機会が多かったことから、ちょっとずつ娘達の教室の様子を覗き見していて気付いた点や、分かって来たことなどを、既に把握していることも踏まえ、僕が感じた日本の小学校との違いなどをメモしておくことにします。

あくまで僕の視点と娘達が通う現地小学校の事例ですので、ご参考までに。

●送り迎え
毎朝8:20に校舎の扉が開くので、それ目指して子供たちを学校へ送って行き、教室の中まで一緒に付いて行って朝の課題などを一緒に取り組みます。

学校が終わる14:30(水曜は12:00)に迎えに行き、校庭で子供たちが出て来るのを待ち、連れて帰ります。

●校区
日本のように校区はないので、好きな学校を選べます。が、遠いと通学に時間がかかるので、基本的には近所の小学校に通うのが主流のようです。
我が家は学校から4kmほどですが、割と家が遠い方です。

●通学
通学方法は自由で、近所の子達は徒歩か自転車で通っています。
我が家含め車で来ている子と半々ぐらいでしょうか。
トラム(路面電車)で来る子もちょこちょこいるようです。
家が更に近所の子はキックボードやローラーブレードなどでも登校しています。
僕が仕事の時は妻がトラムで連れて来ています。

10歳ぐらいまでは必ず大人が送り迎えするのが当たり前の世界なので、小学1年生になったら一人で登校するのが当たり前の日本が、世界では珍しいということを知りました。

●ホワイトボード&プロジェクター
日本のような黒板は存在せず、大きなホワイトボードにマジックのスタイルと引っ張り降ろす大きなスクリーンや大きなモニターが設置されてあり、プロジェクターと先生のパソコンが繋がっていて、Youtubeなどインターネットを多用するのはもちろん、その大きなモニターに直接タッチペンの様なもので書き込むことも出来ます。

黒板は最早レトロなアイテムで、逆に価値が上がるかもw

●チャイム&時間割
チャイムや教室に時計は存在せず、先生の合図で時間を区切っているようです。
時間割表が教室に貼り出されていることもなく、ホワイトボードにその日何をやるかの小さなパネルがひっそり並んでいるだけです。飽きさせない為の工夫でしょうか。

●校庭が狭い
日本は全校生徒で運動会が出来る程の広さの校庭が完備されているのに対し、地域の現地小学校の校庭は先生の目の行き届く程度の広さしかありません。
なので日本の休み時間の定番?ドッジボールなどの球技を広々と行うことは出来ません。

運動会は存在せず、スポーツデイなどのイベントは外の施設を借りて行われます。

●始業式、終業式、入学式がない
4歳の誕生日から入学でき、5歳からが義務教育です。
なので日本のような4月の一斉入学式が存在せず、ある日しれっとクラスメイトが増えている状態です。

夏休み明けなどの始業式や休み前の終業式なども存在せず、休み明け初日から通常授業が始まりますし、長期休暇の前日もきっちり時間通り学校があります。

●担任の先生が2人体制
月火水はA先生、木金はB先生というように曜日で2人の担任の先生の交替制です。
保護者面談などは2人の担任の先生が揃っていて、別々の視点から子供のことを話してくれたり、確認し合ってくれます。

ここ数年はオランダは慢性的な教師不足らしく、いろいろな学年を掛け持ちしながら先生達はパズルの様にやり繰りしてくれています。

●先生はフォローする人
長女のグループ4はやたら自習が多いなあと思っていたのですが、そもそも先生がみんなの前に立って授業を進めたり、何かを教えるというスタイルではないらしく、課題を与えて自分達でやらせて、時々子供達の様子を見回ったりしてフォローしたり、ヒントをあげたり、その時間を利用して廊下で一人の生徒を呼び出し(呼び出され?)話をしている姿をよく見かけます。

どなたかがブログにレポートされておられましたが、そもそも教育法が日本はティーチングに対して、オランダはコーチングという手法だそうで、先生は教える人ではなくフォローする人という捉え方のようで、日本とは根本的に大きく違うので大変興味深いです。

正解のない時代において、自ら考える力を付けるという意味では圧倒的にオランダ式の教育に軍配が上がるのではないかと思います。

●スナックタイム
10:00前後にスナックタイムと呼ばれる小休憩があり、家から持参したフルーツを食します。
ポテトチップスやチョコなどのお菓子は禁止で、フルーツとかカット野菜というルールがあります。

娘達の通う学校はヘルシースナックを推奨しており、水木金は学校からもフルーツが振る舞われますが、きゅうりやミニ人参丸ごと1本なんていう日もあります。
うちの娘達はやっぱり丸ごと野菜は抵抗があるようですが、これも食べたくなければ別に食べなくていいという選択制もいい気がします。

●お昼はお弁当
この学校はお弁当持参です。パン食の家庭が多いようでサンドウィッチ等を持って来る子が多いようです。
我が家は長女が小麦アレルギーでもあるので、基本的にご飯食です。
次女三女は時々スーパーで売ってるホットドッグの時もあります。

昼ごはんが苺のみという子もいて、自由過ぎて笑けましたw
栄養バランス面で言うと、給食文化の日本は世界から見ても素晴らしいと言えます。

●宿題がない
平日も夏休みなども宿題は一切ありません。休みは休みという考え方がオランダらしいのでしょうか。
高学年になれば、中学に向けての準備の為に宿題の練習が出るとか。
小学校では皆無の宿題も中学以降はかなり宿題が出るらしいです。

やはり夏休みに一切宿題がないというのは、非常にうらやましいですw
日本は覚えなければいけないことや、1年を通してやらなければいけないことに追われてしまっているのかもしれません。

非常に複雑な日本語を定着させることも関係しているのでしょう。

●参観日
時々参観日がありますが、日本のように親が教室の後ろで見守るものではなく、これまでやった課題を子供が親に説明するという感じの確認作業です。

先日次女の通うグループ3では全てのアルファベットを習ったという完了パーティーと表彰式が行われ、メダルをもらって次女は大変喜んでいました。
自然に勉強が好きになるようなシステムな気がします。

●校長の娘
若い男性校長先生の娘がそのままグループ1に入学して来ました。
三女と同じグループなので、ある日保護者の中に普通にラフな格好の校長がいてビックリしましたが、オランダはOKなのですね。

僕の母が日本の小学校教諭だったので聞いたことがあるのですが、日本は自分の子どもが通う小学校に赴任は出来ないそうです。
水曜は校長は業務は休みらしいのですが、娘のパパとして朝学校に来ています。

自分が先生として勤める学校に自分の子どもを置いておける。ごく自然なことだと思いますし、その学校を良くしたいと思うモチベーションも自然発生する気がするので、良いことだと思います。

●バイリンガル校
娘達が通う現地小学校はオランダでまだ十数校しか存在しないと言われる、英語とオランダ語のバイリンガル校で、週2日程が英語の日らしく、朝先生達が発する挨拶がオランダ語の「Goedemorgen.」から「Good morning.」に変わっています。

オランダで生まれ育った子供達は5歳ぐらいから見事にオランダ語と英語を使い分けているように感じます。

三女のクラスメイトの子がオランダ語で話しかけて来たので、全く分からず「イングリッシュ プリーズ」と言うと「OK. I can speak English.」と切り返して来ました。

2年程前、娘達の通う小学校はバイリンガル校ではなくなりました。
バイリンガル校としての定義としては週に何時間以上英語の授業を導入するなど条件があるようで、その制約に沿うことが難しくなって来た為だそうですが、現在も少しではありますが、英語の授業は行われております。

まだまだ細かいことが多数存在すると思うのですが、今回はこのぐらいです。

生粋の日本人である娘達がどうなっていくのか、引き続き見守りたいと思います。

当時7歳でオランダにやって来た長女は11歳でグループ7に所属しており、2021年の夏休み明けからは小学校最終学年であるグループ8になる予定です。

いよいよ中学の進路指導?が徐々に始まりました。
長女がどんな進路になるのか、またここで報告したいと思います。

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