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ケーキを作るのは誰のため?@フォルケホイスコーレ

私はもともとケーキ作り趣味で20年近く同じ先生に教わっています。自宅でも時間を見つけてはいろんなケーキや焼き菓子を作っていました。ケーキ作りには少し自信がありました(笑)

ところが、デンマークに来てみるといきなり衝撃が!! ベテラン大工という専門性を持つある男性がみんなのためにバナナケーキや誕生日ケーキを焼いてくれます。また別の若い男性が「今日はチョコレートケーキを焼いたので食べたい人はどうぞ」という書き込みをFacebookのグループページに残してくれています。

デンマークのケーキはそれぞれが個性的でとってもおいしいです。(日本のものと比べて結構甘いことを除けば) 思いがけない時に様々なケーキを食べることができて幸せです。

最初は「みんなのためにケーキを作ってくれるなんて素敵だな」と思っていました。でもそれはどうやら違う様です。もちろんみんなを喜ばせようという気持ちがないとはいいません。でも基本は「自分が作りたいから」作っている。なので、個性あふれるケーキがいついただけるかは予測不可能です。

日本にいるときは「○さんが喜んでくれたら嬉しい」「△さんが食べたいと言っていたから」がきっかけになって行動していた自分に気づきました。それはそれで幸せなことなのですが、自分が作りたい時に作るのも素敵だと思います。日本とデンマークではゴールは同じですがフォーカスが自分に当たっているところが少し違う様です。

体調が良くて、時間の余裕がある時に、ふと思い立って自分が食べたいと思うケーキを作る。その時間はかけがえのない時間になると思います。副産物として、食べた人が喜んでくれたらこんなに嬉しいことはない。ここにもデンマークで大切にされているHygge(ヒュッゲ)の種を見つけた気がします。

フォルケホイスコーレに慣れてきた後半2ヶ月は私も学校の台所を借りて、いろんな人と一緒にケーキやパンを焼く機会に恵まれました。ここでのケーキ作りは結構おおらか。イタリア人やデンマーク人と一緒に作ると、お国柄や人柄が現れて楽しいです。自分の楽しみのためのケーキ作りがスタートしました。

学校が終盤になった頃、生徒同士で「学校が終わったら何をするの?」という会話がよくありました。「日本に帰ったら新しい仕事を探さなくてはいけません」といつも答えていました。仕事探しの大変さを思うと少しブルーになったり…。やりたいことではなく、やならければならないことばかり考えていました。

「フォルケホイスコーレで学んだことはなんですか?」という質問をよく受ける様になり、このケーキ作りのことを思い出しました。やりたいことをすれば楽しいし、長続きするし、成果も出やすい。もしも仕事を探したくなれば探せばいいし、今はその時期でなければ今のこの学校生活にフォーカスしようと。学校が終わり、時期が来れば自ずと自分の心も変わるはず。

もし私の家族や友達がそんなことを言っていたら「そんな悠長なことを言っていて本当に大丈夫なのか?」と心配になったり「仕事探しは早く始めたほうがいいよ」というアドバイスをしていたかもしれません。

でも時期が来なければ何事も動かないことも真実。
人口が多くて競争社会である日本で、この考え方を持ち続けることができるか自信はありませんが、「自分の気持ちにフォーカス」して、「時期が来るまで待ってから決める」にチャレンジをする価値はあると思っています。

#デンマーク #フォルケホイスコーレ #ケーキ作り #Hygge #自分の気持ちにフォーカスを当てる

1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪