重複障害(盲ろう)の方のコミュニケーション方法(点字小噺第12話)

(15、6年前に自分のHPにアップしていた点字にまつわる話です。拙い文章ですが、HPのサービスが終了した為、こちらに転載しています。寛容な心でお読みください。)

A:ねえねえ、この前、目が全く見えなくて、耳も全く聞こえない人がいるって話をしてたよね?
B:うん、それがどうかしたの?
A:そういう人って、どうやって人と話をしたりするの?
B:いろいろ。
A:それじゃ、わかんないって。
B:うーん、手話とか、点字とか、ゆびも…。
A:え?手話って、見えないでしょ?
B:だから、見て理解するんじゃなくて、話をする相手の両手に自分の両手を軽く重ねて、
その手の形と動きから相手の手話を理解するのよ。
A:へぇー。点字っていうのは、紙に点字を一回、一回打つの?
B:よく使われるのは、紙テープに点字を打ち出す速記用の点字タイプライターを使って伝える方法と指点字と言って、相手の指を点字タイプライターに見立てて、直接相手の指を打って伝える方法があるよ。
A:他にもあるの?
B:手話に指文字と言って、仮名とかアルファベットに対応した手の形で表すものがあるけど、これを相手の手のひらに押し当ててローマ字で文章を綴る方法とか。
A:たくさんあるね。
B:ほんと人それぞれだから。
A:じゃあ、初めはどれから覚えたらいいの?
B:初めって?
A:だって、全部覚えたら大変そうだし。
B:必要になったものを覚えたらいいじゃない?
A:必要になったもの?
B:例えば、聞こえない聾の方と話すのは手話ができれば話は楽だけど、筆談でもできるでしょ?
実際に話してみて、もっと話したいと思ったら手話覚えたらいいじゃない?
それに、聾の人でも手話が使えない人もいるから。
A:うーん、そっかぁ。
B:そうそう、覚えたら話そうなんて言ってたら、いつ話せるようになるのかわかんないわよ。
A:でも、全く見えず聞こえずだと、文字が見えないから筆談もできないわけだし。
もちろん、声もダメだから何か覚えなくちゃ話せないでしょ?
B:もちろん全く見えなくては、筆談は無理だけど、多くの人に通じる方法に手書き文字というのがあって、
相手の手のひらに平仮名やカタカナを指で書いて伝える方法があるの。
時間はかかるけど、初めはそれで話してみて、もっと話したいと思ったら、
手話とか点字とかもっと楽に話せる方法を覚えたらいいじゃない?
A:なるほどねぇ。

 第6話の中で視覚障害と聴覚障害のどちらも抱えている人の話を少ししましたが、今回はそのような人達が使用しているコミュニケーション方法についてです。

 まず、重複障害についてですが、重複障害とは例えば半身麻痺で目が見えない、目が見えなくて耳も聞こえない、自閉症で聞こえないなど障害が一つのみでなくいくつか抱えている事を指します。
この中で視覚と聴覚の重複障害を特に盲ろうと言います。
 盲ろうと言う状態ですが、これは単に”視覚障害+聴覚障害”と考えて、視覚障害と聴覚障害を別々に考えると対応ができない状況が生じます。
例えば、視覚障害であれば声など音・声の聴覚情報で伝えられますし、聴覚障害であれば手話や筆談など視覚情報で伝えられます。しかし、盲ろうになりますと聴覚、視覚どちらも使えないので、その為の配慮と言うものが必要になる事も多いです。
 一人一人の話となりますとその人の障害の程度と背景が大きく影響してきます。
 まず、全く見えず、聞こえずと言う事を前提で話をします。
 子供の時から盲ろうの状態にある場合、指文字を用いて教育されてきているので、指文字でコミュニケーションをとるという人がいます。
 初めに見えなくなり、その後聞こえなくなってしまった人では指点字など点字を用いたコミュニケーション方法を用いる人が多いです。
 初めに聞こえなくなり、その後見えなくなった人は手話を中心としたコミュニケーション方法を用いる人が多いです。
 手話も点字も知らない内に盲ろうになってしまった人は手書き文字を使って話したりします。
 同じ盲ろうの方同士で会話をする場合にいろいろな方法が必要になりますので、一つの方法だけでなくいろいろな方法で話せる人もいます。
 視覚・聴覚重複障害と言っても、弱視で全く聞こえない、難聴で全く見えない、弱視で難聴などの人も含まれます。
そのような人達では筆談や耳元で大きな声で話す等といった方法でコミュニケーションがとれる人もいます。
 簡単に説明しましたが、それぞれの人がいろいろな方法でコミュニケーションをとっているので、相手に合わせたコミュニケーションの方法を取る事が大切です。

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