点字の話のその前に(点字の小噺 第0話)

(15、6年前に自分のHPにアップしていた点字にまつわる話です。拙い文章ですが、HPのサービスが終了した為、こちらに転載しています。寛容な心でお読みください。)

A:おいっ、それなんだよ。
B:ん?これ?あー、点字器だよ。
A:テンジキ…?
B:ほら、目の見えない人とかが触って読むだろ、あの点字の…。
A:えっ!なに。おまえ、あれ触ってわかんの?
B:わかるけど、一文字解読するのに10秒は欲しいな。
A:10秒って、それで本読めるのかよ。
B:時間かかるから、目で見て読むんだよ。
A:それじゃ、点字の意味ねえじゃん。
B:でも、点字は役立つぞ。
A:例えば?
B:ほら、ドロボーはまず点字読めねえだろ。だから、鍵の隠し場所を点字で書いて貼っておくとか。
A:なるほど…。結構いいかもしれねえな。人には言えない秘密を点字で書くようにするとか。
B:そりゃ、駄目だな。
A:なんでだよ。
B:俺の友達も点字読めるから、逆に興味もたれて読まれちまうんだよ。
A:なんだ、やっぱ使えねえじゃん。
B:そんな事ねえって。
A:他になにがあるんだよ?
B:点字に想いをたくしてラブレターとか。
A:相手が読めなかったら?
B:教えてあげるんよ。一文字、一文字、手取り…、足取り……。そうして、意味を初めて理解した相手は言うのさ。「いや、恥ずかしいわ。」って。そして、二人は…(遠い目になる)。
A:………。帰る。
B:恥ずかしいのは初めだけ。「すごいわ。」って、その子が言って、それから二人は…(Bの妄想は続く)。

 あきれないで、まだ読んで頂けてますか?改めて考えると、点字って、なんの役に立つのでしょうか?
もちろん、視覚障害者の方にとっては大切な文字です。ですが、文字が読めるなら、普段は使うことも、気にすることもないですよね。やっぱり。
そこで、そんな観点に立ちまして、『使わないものは、やっぱり使わない。』と言うことで、点字そのものよりは、身近な話をしていく予定です。

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