点字のしくみ。(点字小噺第9話)

(15、6年前に自分のHPにアップしていた点字にまつわる話です。拙い文章ですが、HPのサービスが終了した為、こちらに転載しています。寛容な心でお読みください。)

あぁ、わからん。と、いうか覚えられへん。
B:なにが覚えられへんの?
A:点字や、点字。
B:なんやぁ、“あいうえお”も覚えられへんの。年やなぁ。
A:まだ、22や。でも、こんな点の配置を50個も覚えられるかいな。
B:全部覚えようとするから大変なんよ。
A:そうは言っても、50音は覚えなしょうがないやろ。
B:ローマ字の考え方と同じなんやから、“あいうえお”と“あ段”だけ覚えたらええんよ。
A:どういうことやねん。
B:例えば、ローマ字のか行は、“k+a,i,u,e,o”で、か行“ka(か),ki(き),ku(く),ke(け),ko(こ)”やん?
A:そうやなぁ。
B:さ行なら、“s+a,i,u,e,o”で、さ行。そやから、“a,i,u,e,o”と“k”とか“s”だけ覚えたらええねん。
A:それはわかるけど、点字とどこが同じやねん。
B:そやから、“あ行”の点字に点を足すと“か行”とか“さ行”になるって言ってるんよ。どこに点を足したら、か行、さ行になるかだけを覚えたらええねん。
A:あ行に点をねえ………。ほんまや!なんや、そんな簡単な仕組みやったんかぁ。頑張って覚えて損したわ。
B:ほんまにドジなんやから。
A:これとドジとは関係ないやろ。
B:こないだも車にカーナビついてるのに必死に地図ばっか調べて、肝心の遊園地の休みは調べてないし。
A:たまには海でのんびりするのもええやろ。
B:まあ、そやなぁ。あの遊園地は何度も連れられて行ったから、飽きとったし…。
A:ん?何度もって、この前は初めて行くから楽しみって言ってたやろ?
B:そうやったっけ?あんたと行くのが初めてやから楽しみって言ってたんよ。ははは…。
A:誰と行ったんや?あの遊園地できて半年も経ってないやんか。
B:えっ。友達やって。あんたと行くのと友達と行くのは全然ちがうやろ?私が信じられへんの?
A:信じてる、信じてる。君の事はなんでも信じてる…………って、そんなわけないやろ。

 さて、点字の仕組みの話です。
「点字は文字だ。」なんて言われても、読めなければただの点の集まり。とても文字には見えません。
ですが、ただ無秩序に点の並びが決められている訳ではなく、ローマ字のように母音(a,i,u,e,o)と子音(k,s,t,n…)を組み合わせて作られています。
 点字一文字のうち母音を表すのに使われるのは、左上の3つの点で、

 上の段の2点と真ん中の左の1点、この3つの点が母音を受け持ちます。
点字一文字のうち子音を表すのに使われるのは、右下の3つの点。

 下の段の2点と真ん中の右の1点、この3つの点が子音を受け持ちます。
例えば、点字で“あ、い、う、え、お”は、

で、あり、ローマ字の“k”にあたる点は、

 “あ”と“k”をたして“か”、“い”と“k”をたして“き”になります。

この要領で“あ行”と“k”を組み合わせると、“か、き、く、け、こ”になります。

また、ローマ字の“s”にあたるのは、

なので、“あ、い、う、え、お”と組み合わせて、“さ、し、す、せ、そ”となります。

わかりました?

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