日用品あれこれ(点字小噺第10話)

(15、6年前に自分のHPにアップしていた点字にまつわる話です。拙い文章ですが、HPのサービスが終了した為、こちらに転載しています。寛容な心でお読みください。)

A:時計買ったの?
B:これふたが開くのよ。ほら。
A:おー。…って、開いちゃ駄目じゃん。
B:いいの、いいの。これ、直接時計の針に触って、時間をみる時計だから。
A:へぇ。
B:暗闇でも、これなら困らないと言う訳よ。
A:いつ使うのよ?
B:ふと起きた時に何時か調べたり。
A:あなた腕時計つけて寝てるの?
B:寝ないわよ。
A:駄目じゃん。
B:ほらほら、じゃあデートの時とか。
A:デートの時に?なんで?
B:何度も時計を気にしてたら、相手の話がつまんないみたいじゃない?でも、終電は逃したくない時とか。
相手にさとられずに時間をチェック。
A:別にデートなら終電逃してもいいじゃない。
B:…。そうね。ええと、それじゃ…。
A:もういいわよ。あんたも彼氏からまきあげたんでしょ?
B:あんたもって…。違うわよ。珍しいから買ったの。
A:なんだ。それより、見てよ、私の時計。
B:ずいぶんゴツイわね。
A:彼のを拝借したの。なんかいっぱい持ってるから、一個ぐらいいいでしょ。
B:黙って持って来たの?
A:ちゃんと一言ことわったわよ。なんかこの時計だけは駄目って言ってたけど。
B:おいおい。
A:でも、これだけはなんて言われると、こっちもムキになるじゃない?違いなんてわからないけど、くれないなら別れるって言って、もらっちゃった。
B:かわいそう。大事な時計だったろうに。
A:でも、私より大事なものなんてないでしょ?
B:はいはい。

 さて、今回は日用品の話。
 まず、白杖ですが、これは「白杖をもってる=視覚障害がある。」という感じでみなさん知っていますよね。
白杖で自分の進行方向や周囲の情報をえる訳です。例えば、障害物(自転車、壁など)の有無や段差の有無です。

この白杖は外出の際の大切な道具な訳ですが、図のように使わない時はコンパクトに折りたためるものもあります。

 白杖は、実際に触って情報を得る。つまり、触覚を利用するものです。
ほかに、音情報も利用できるので、目の見えない人に向けた物としては、触覚を利用したものと聴覚を利用したものの2種類が考えられます。
 例えばパソコンの情報(ホームページなど)をみようとした時には、ひとつは読み上げソフトによって音声を用いる場合。
もうひとつは、点字ディスプレイで点字を用いる場合のどちらもあります。
どちらの場合も画像そのものは、パソコンは説明することができないので、
ホームページの製作者が代替テキストを指定している時(本文とは別に説明文を付けている時)は、
画像の代わりにそのテキスト(説明文)を読み上げます。

その他にも腕時計にも聴覚を使うタイプと触覚を使うタイプの2種類があります。
触覚を使うタイプでは、図のように文字盤の手前のカバーの部分が開くようになっているので、
カバーを開いて、直接時計の針に触れて時間を読みます。
 視覚に加えて聴覚にも障害のある盲ろう者の方ですと、音声の情報は使えませんので、触覚を利用した機器を用いる事になります。
 一般に売っている商品でも、シャンプーとリンスを区別できるようにシャンプーの容器に突起が付いていたり、
視覚障害者の人にも使いやすいように少し工夫されているものがあります。
ですが、全ての商品に区別できるような目印や点字が付いているわけではないので、そのようなものには
透明なシール(タックテープ)に点字を打って、“ごま塩”“七味”など区別できるよに点字を貼り付けたりして利用しています。

読んだ感想などコメントを書いて頂けたら、はげみになります。 ハチミツは、お仕事依頼の記事にネットオーダーのページへのリンクがあります。購入希望の方はそちらからお願い致します。