全国で1つだけのユニフォーム
高校野球の醍醐味の一つにユニフォームがあると僕は思っている。
早稲田実業の洗練された真っ白のユニフォームや智弁和歌山の王者の風格が現れたユニフォーム。
中でも僕は明徳義塾のユニフォームが大好きだ。縦縞のユニフォームに漢字で校名「明徳」が書かれた渋いユニフォームに憧れた。
高校野球交流試合が始まり白スパイクを履く野球部を見て高野連のルール改定を知った。
とにかくグローブやスパイクなど様々なルールがある高野連の規定において白スパイクの導入は革命に近いものを感じる。
分かりやすいところでいくとユニフォームには必ず校名を入れなければならない。
そんな中全国でたった1校(定かではないが)だけこの高校野球のルールに則していない、高野連から認められた特例の高校がある。
その高校は佐賀県立佐賀西高校。
ユニフォームに書かれた文字は「EIJO」
エイジョー?なんだそれという感じだ。普通なら「佐賀西」とか「NISHIKO」とかのはずなのに佐賀西高校は「EIJO」なのだ。
ということでまずはなぜエイジョーなのかというところから説明したい。
佐賀県には旧制中学時代の名残から五城と呼ばれる別称を持つ高校があるとのこと。
・小城高校:黄城(おうじょう)
・唐津東高校:白城(はくじょう)
・鹿島高校:鶴城(かくじょう)
・武雄高校:武城(ぶじょう)
・佐賀西高校:栄城(えいじょう)
これらが佐賀県にある五城というものらしい。
佐賀西高校はこの別称「栄城」という名のもとにユニフォームには「EIJO」を掲げている。
また、高野連がユニフォームに関する規定を作る前から同じユニフォームを現在も使用している為今も「EIJO」を掲げることが許可されているのだ。
旧制佐賀中以降、佐賀西高校が甲子園に出場した記録は無い。
コロナが落ち着きアルプススタンドに多くのファンがいっぱいになる頃いつしか甲子園の舞台で「EIJO」のユニフォームが駆け回る姿を見たい。
変化を求められる時、敢えて貫き通した選択が未来に残された子たちへ歴史を知らせるきっかけになるのだろう。