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やめたくても「やめられない」日本のシステム

先日、義母と一緒に「亡義父名義のまま使用していた携帯」の名義変更に行ってきました。
まぁ、これは私が付き添いましたし事前に慣れたスタッフさんにお話を聞いて書類も準備。死亡診断書や住民票やらをたくさん用意し、さらには携帯ショップに予約もして、1時間で作業完了。私にとっては(面倒ではあったけど)割と簡単な業務でしたが、義母だけでは絶対に無理な作業でした。

ありがたいことに、名義を変えたりするのはこれくらい。超アナログ生活だった義父はクレジットカードも持っていませんし、引き落としも公共料金程度のもの。窓口で簡単に手続きができました。
逆に言うと、ネットのIDなどが何もないので、わざわざ窓口に出向かなければならなかったものも多数。そういう意味ではちょっと大変だったかな。

ですが、契約するのなら「免許証さえあれば今すぐ店頭で加入OK!」なものが、解約となると何か月も待たされたり、予約を取って時間を合わせて窓口で延々話し合わないと駄目だというのは、本当に困りものです。

■超面倒な「解約」手続き

私は家事代行業を営んでいますが、家事と呼ぶにはちょっと線引きが難しい業務も多々お引き受けしています。
それが何かというと、「加入していたサービスの解約手続き」です。最近とても多い気がしています。
というのも、最近お客様の伴侶がお亡くなりになり、その加入していた各種のサービスを解約しなければならなくなったのです。が、その手続きがあまりに煩雑で分からない、代わりに電話をしてもらえないか(もしくは窓口に付き合ってくれないか)という依頼が多いのです。序文で述べた通り、ご高齢の方にはかなり難しい作業だと思います。

で、解約の方法を読んでみると、これがまたわかりづらい。わざとわかりづらくして解約させないように仕向けているのでは、と思えるほど。
そしてお客様は皆さん口をそろえて仰います。
「加入するときは電話一本で何もかもやってくれたのよ」
そう、そうなんです! 加入の時にはほとんど何の手続きもいらなかったのに! 解約となると、まず「電話がつながらない」し、「手続きに〇ヶ月かかる」「違約金が発生します」「〇〇の書類が必要」「それとは別に〇〇にも電話をしないといけない」「そもそもここでは申し込みできません」「こちらではわかりません」「それを解約すると同時に〇〇も解約になってしまいます」などなど…

もちろん、そういうことはきちんと約款に書いてあったのでしょう。人知れず、細かい文字で、しれっとね。読んでいない方が悪い。それはまぁ分かる。
けれど、そのために冒頭ご紹介したツイートのような事態になるわけです。たかだかひとつの契約を解除するのに2ヶ月以上かかって、なおも請求書が届いているものもあります。

私のお客様はいずれもご高齢で、ネットサブスク利用歴などはないのですが…テレビの有料チャンネルとBSが一緒の契約になっているとか、使いもしないインターネットの契約があるとか、大量の雑誌をご契約なさっているとか、そういうのがたくさんあるのです。いずれも「何かを買った際に」「便利だから/無料だから/簡単に加入できるから」とついでに加入させられたもの。
そして、そのいずれも「解約したら〇〇も同時に無くなります」とか「解約すると電話番号が変わります」とか言われるわけですね。
(私がかかわった案件でも、ツイートに書かれてあるのと同様の騒ぎとなりました。どことは言いませんが特に J:c●m の対応はひどかった…いまも…)

あともう一軒は、幸いにもご伴侶様はご存命なのですが、脳梗塞で半身不随の状態で入院中です。生きているうちに携帯の引き落とし口座を変更しようということになったのですが、コロナ禍にご家族の皆様すら会うことができない状態、にもかかわらずショップからは「ご本人様でないと手続きができなくて~」という返答。どないせぇっちゅうねん。

いまや、加入前にしっかりと「解約時の手続きの簡単さ」を調べなければならない時代になっているようです。

これを回避するには、便利だからと言ってむやみにサービスを増やさないこと、加入サービスを家族間で共有しておくこと、などの基本的なことしかありません。が、家族だって各々好みが違うわけで…

企業の皆様には伏してお願いしますが、解約の手続きをもう少し楽にできないものか。
おそらく今後、緩やかに「解約専門の仕事」というのができてくることでしょうが、それを待っていられない人も多く居ます。本当に、「やめる」というのはどこまでも大変です。

もしサポートのご意思があるなら、お気持ちだけで。別の困っている方へ直接ご寄付ください。私と私の家族は元気なのでnote経由のサポートの必要はありません(*'ω'*)