Connecting the Dots

頭が良いというのには2種類あるとよく言われる。「勉強ができる」というのと「センスがいい」というような意味になるだろうか。

ジョブズがした connecting the dots の話で言えば、カリグラフィの授業をマックのフォントに活かしたのは「センスがいい」ように思える。ジョブズは勉強ができる人というよりはむしろ、センスがいい人として知られている。センスがいい人というのは、点と点を繋ぐことができる人のことだと言える。
逆に、カリグラフィの授業のようなたくさんの知識を持っている人は勉強ができると言えるだろう。たくさん点を打っている人は勉強ができる。

頭の良さを測るために受験のようなテストがあるが、あれは必要な深さで多くの点を打てているかをチェックするので、どちらかといえば勉強ができる人に有利なイメージがある。しばしば点と点を繋げられているかを測ることに成功している問題が良問として持て囃されるが、それは基本的にはテストは点を打てている多さを測ることしかできない、ということの裏返しであることは多くの人が了解している。
しかしながら点と点を繋ぐことは、当然ながら刻印されている点がなければできない。刻印されている点の数を測ることは、将来どのくらい点と点を繋ぐことができるかの余地を保証する。

頭が良いというのをセンスがいいという意味で使うことを好む人にとって都合の悪いことに、刻印されている点の数が多ければ多いほど、点と点を繋げる可能性も高くなるので、センスも後からついてくる場合が多い。点と点を繋ぐ能力すなわちセンスと、点を多く打つ能力すなわち勉強ができることとは、相互作用的に頭の良さを形成する。

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