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看護師の9K

こんにちは。
現役看護師でwebライターとして活動しています【みるみるこ】です。今回は『看護師の9K』についてお話します。

そもそも9Kってなに?

と思っている人もいますよね。
まずは9Kについてご説明していきたいと思います。

看護師の9Kって?

1992年に、江尻尚子さんが「看護師の9K」という言葉で流行語大賞を取得したことから知られるようになりました。

そもそも9Kという言葉がうまれるまでは看護師は3Kと言われていました。

3Kとは「きつい」「汚い」「危険」を意味する言葉です。
介護業界だけでなく、建築業界や清掃業界など
一般的に労働環境が良くない業界に使われていました。

看護師は、この3Kに「規則がきびしい」「給料が安い」「休暇が取れない」「婚期が遅い」「化粧がのらない」「薬に頼って生きている」の6Kが加わった9Kと言われています。

ではこの9Kについて一つ一つ詳しく説明していきます。

①きつい

看護師の仕事ってとても体力が必要で、人の命に係わる仕事のため精神的にもきついと言われています。
ただ注射を打ったり怪我の手当てをするだけだと思っている人もいるかもしてませんが、日常的に力仕事がホントに必要になってきます。

身体が不自由な人たちがいるのが病院のため、そんな人たちの生活を支えることもお看護師の仕事になります。
身体を抱えて移動したり、入浴のお手伝いをしたりと多岐にわたって患者さんを支えることが必要です。
その為、腰への負担がすごく、腰痛に悩む看護師は少なくありません。
実際にわたしも腰痛がひどく、コルセットが必需品でした。

また看護師の勤務は2交代制や3交代制が基本なため、生活リズムが崩れ疲れやすいことからもきついと言われるようになりました。

②汚い

看護師は痰吸引やドレーンの廃液処理だけでなく、おむつ交換など多くの汚物処理を行うことがあります。
特に今の時代では、高齢者が多くなってきているため、排泄処理を行う機会が多くなりました。

仕事だからと割り切って行う人もいますが、誰しもが割り切って行うことはできませんよね。
わたしも新人時代は嫌で嫌でしょうがありませんでした。
今は慣れてしまいなんとも思わなくなりましたが・・・。

③危険

看護の現場では、飛沫感染などの感染症のリスクがつきものです。
新型コロナウイルスが蔓延した時にはホントに大変でした。
実際に新型コロナウイルス感染者の看護で、感染した看護師はたくさんいます。
どんなに気を付けていても感染症のリスクは0にならないので危険がついてきます。

また、認知症や手術後などの精神状態が安定していない患者さんから暴力を受ける危険性もあります。
これらの暴力は病気によって起こることなので仕方がありませんが危険には変わりありませんよね。

規則がきびしい
これは医療機関や施設にとって変わりますが、看護師は規則がきびしいと言われています。

例えば、「髪を明るくしすぎてはいけない」「化粧は薄く」「靴下は白」などといった決まりがある医療機関や施設もあります。
しかし今の時代、髪形やメイク・服装などに決まりがなく規則が割と緩くなった自由な医療機関や施設が多くなってきています。
わたしが勤めていた施設でも基本的に規則は緩かったので好きな髪型で働いていました。

⑤給料が安い

看護師って一般的に給料はいいと思われていますよね?
でも実際はそんなに高くはありません。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の賃金平均は318.300円に対して看護師の平均賃金は351.600円となっています。(令和4年結果)

これだけみたら少し高いと思われるかもしれませんが、この賃金には夜勤手当も含まれています。
夜勤は不規則にあるため身体的にも精神的にも負担が大きく、給料の割に合ってないと思う人が多いからです。
私もバリバリ夜勤をこなしていた時は、こんなに頑張ってこれくらいかと思っていた時もあります。

⑥休暇が取れない

看護師の勤務は基本的にシフト制となっているため、希望の休みが取れないことが多いです。とくに人手不足に悩んでいる医療機関や施設では希望休が取れない現状があります。

看護師同士で希望がかぶったら譲り合ったりしないといけませんからね。
わたしも新人時代には先輩の希望を見てから自分の希望休を決めていました。
怖い先輩だとチクチク言ってくる人もいますよね。(実際にたくさんいましたよ)

中には人材が豊富な医療機関や施設では希望休が毎回しっかりとれることもありますが、現実的にはなかなか取れないことが多いです。


⑦婚期が遅い

看護師の婚期が遅い原因として、安定した収入があることや看護師になっても知識やスキル習得のために勉強が忙しいからだと言われています。

安定した収入があると一人でも生きていけますからね。
わたしも結婚はわりと遅く30歳の時でした。

また看護師は女性が多く、結婚や子育てによりキャリアアップを断念しなくてはいけないことから、なかなか結婚に踏み出せない人もいるようです。


⑧化粧がのらない

これはホントに多くの看護師を悩ませています。
夜勤があるとどうしても不規則な生活になりスキンケアを怠ってしまうことがあるからです。
人によっては不規則な生活でもスキンケアを怠らない人もいますが、ほとんどの人は夜勤などで疲れて帰ってからは寝るだけの生活になってしまいます。
そのため、肌荒れなどに悩む看護師は多いです。


⑨薬に頼って生きている

看護師は人手不足な現状があり、1人でも欠けてしまうとその負担が他の看護師にかかります。
夜勤など少人数で行っている時に欠勤者がでると、別の看護師が出勤しなくてはいけないこともあります。
休みたくても休めない状況が、看護師は薬に頼って生きていると言われるようになった原因です。


以上が看護師の9Kと言われているものになりますが、これだけ聞いたら看護師なんてならない方がいいと思いますよね。

しかし!

こんな大変なことがあっても看護師になってよかったと思うことはたくさんあります。

たとえば

  • 平日休みがある

  • 転職する際に困らない

  • 人に感謝される

  • 多くのスタッフと連携するので自然とコミュニケーション能力が上がりチームとして動けるようになる

などです。
その他にも数えきれない例えはあります。

平日休みって結構よくないですか?
どこに行っても人は少なくゆっくり過ごすこともできるし役所関係に行く時にも便利です。

また将来結婚をして夫の転勤についていかなくてはいけなくなっても転勤先での就職活動には困りません。

ちょっとしたことですが結構助かっていることが多いです。

何より人に「ありがとう」って言ってもらえる仕事ってとても素晴らしいことだと思えません?

この一言を聞いたらまた頑張ろうって気持ちになれます。

実際にわたしも新人時代に何度も辛くてしんどくてやめようと考えた時はありました。

でも「ありがとう」「あなたがいたからよかった」と患者さんに言ってもらえるたびに元気が出て、看護師を続けててよかったと思えます。

人の役に立てる仕事だからこそ続けていく価値のある仕事です。

これから看護師になろうか悩んでいる人がいたらまずは看護師の仕事について大変なことが多いいことを理解した上で考えてください。

でも大変なこと以上にやりがいのある仕事だとわたしは思いますよ。

看護師のマイナス面が多くなりましたが、看護師は9Kと言われるほど大変な仕事です。
しかしそれ以上にメリットもたくさんあります。
近年ではこれまでの3Kとは変わり新しい解釈がされるようになってきています。

「感謝」「関心」「共有」の3Kです。

この3Kは看護師の働き方をポジティブに表して前向きに考えれるようになっています。

その他にも「感謝」「感動」「貢献」といった考えもあります。

こられは新しい3Kネオ3Kと言われ看護師のマイナスなイメージを覆す表現になっています。

これからどんどん表現が変わり、看護師って辛いこともたくさんあるけど素晴らしいって思えるような9Kになってほしいです。

おわり

今回は説明もあり長い文章になりましたが
最後まで読んでいただきありがとうございました。

また次回も看護や介護について書いていこうと思います。






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