現代の最も大きな格差
現代における最も大きな格差とは何か?
それは経済格差、ではない。もちろん、現代でも上と下の持っている資産の格差は相応のものがある。ただ現代では下の階層にいる人間でも相応の暮らしができるようになっている。昔なら裕福層しかできなかったような暮らしができるようになった、いや、もっというなら昔の富裕層以上の暮らしができるようになった。衣食住は満たされ、スマホにより動画も見放題だし、最低限の設備が整えられればオンラインゲームだってやりたい放題である。経済的に不況になっているとはいえ、それでも昔に比べて相当生活環境は良くなった。
では現代の最も大きな格差は何か?
それは情報格差である。
個人が持っている情報の量・質の差が現代ではとてつもないことになっている。
この情報格差の大きな原因はインターネット、ひいてはスマホなのは言うまでもないことだ。
スマホは現代では誰もが持っているから格差はそんなにないのではないか、と誤解されがちだが、誰もが情報にアクセスできるからこそその格差はえげつないものとなる。
単純に普段から色々と情報収集する人間もいれば、スマホがあるにも関わらずほとんど情報収集しない人間もいる。それだけでも相当な差になる。
また、情報を獲得するにしても多角的に収集する人間もいれば、一つの情報ばかり固執してしまう人もいる。例えば安倍元首相の功績について調べる時、Wikiや動画等で多角的に集める人間もいれば、安倍を批判する記事しか見ない人間、見ようとしない人間もいる。特に今ではYouTubeやTwitterでは表示される情報は見る者の好みに合わせて表示するから自分の考え方が先鋭化してしまうことも十分にあり得る。
また、今ではchat gptの登場により、この情報アクセスの度合いが一段、いや何段にも深まった。これを活用する人間としない人間という差だけでも相当な差をもたらす。
おそらく昔ながら十年以上かかって生じた格差が、今では二、三年程度で格差が生まれていることだろう。そのような格差において上の人間と下の人間では同じ景色でも見ているものが異なることだろう。
物質的な面での格差は縮まったが、能力・情報面という見えない格差は現在も広まっている。その溝は人々が思う以上にでかい。
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