どうしても食べ物を買いたい母

毎朝母に電話をしているのだが、必ず「じゃあ今から出かけるから〜」と言って切ろうとするので、もしかして私の電話が出かけるタイミングになっているのかと思い、電話の時間を変えてみた。
しかし状況は変わらなかった。
施設では、母が出かけたいと言ったらまず私に確認の電話を入れてもらうことにしているが、どうやら毎回ではないらしい。電話をすると、玄関の椅子に座っていることが多くなった。そして「出かけたいって言ったけど、『お嬢さんに電話がつながりません』って言われて待っていた。」と言うことが度々あった。

一昨日は、母の電話が留守番電話になっていてつながらなかったのだが、後から聞くと私に電話がつながらないと言われて弟に電話をし、許可を得てタクシーで出かけたらしい。
そして昨日は電話をするとタクシーを待っていると言うので慌てたのだが、お嬢さんに電話がつながらないと言われた母は弟に電話をかけ、弟から許可をもらっていたのだった。
タクシーの中では運転手さんに過去の私の悪口を言って楽しそうだった。しかも降りる時に「これ召し上がってください」と何かを渡していた。母のタクシー好きは、運転手さんとの交流も含まれている気がする。

「食べ物を買っちゃダメよ。帰りのタクシー代は残してね。」
と言っておいたのだが、お昼ギリギリに帰って来た母に聞くと、案の定、お弁当を2つ買ったと。しかも高級弁当、多分2つで5000円はする。母の母(故人)と私の妹が来ているから、と言っていた。また妹のためか…。来てないよ。
それで帰りのタクシー代を払ったら(足りてよかった!)もうお金がなくなってしまったらしい。

美容院に行きたい

弟が、午後は美容院の予約をしてるらしいけど、出かけさせなくていいよね」というので、母に確認すると、以前住んでいたところの近くの美容院を予約したらしい。
そこの訪問美容が来週あるらしいよ。予約したら?と言うと以前のところに行きたいとごねたが、午後は外出させないように頼んで電話を切った。
美容院に電話してみると、確かに予約をしていた。事情を話してキャンセルして、今後も予約をしても行けないと伝えた。
午後母に電話をしてみたら、母はやはり玄関に座っていて、
「出してもらえない…美容院の予約を入れてあるのに…行かせて〜。お願い、行かせて〜。」とおいおい泣き始めた。
キャンセルしたと言ったら怒るだろうから、遠いし、今日はお金がなくてタクシー代も美容院代も払えないと迷惑だから、と話したが、泣くばかりで聞く耳持たず。
そのうちスタッフさんが来て電話を代わり
「興奮しておられるのでお茶を飲んで落ち着いていただきますね。」
と言われた。
私が泣かしたことになっている…。
そうに違いはないが、モヤモヤする…。

前の美容院まで行かせるか、近くにいいところを探すか…。これもまた考えなければならない。


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