娘と一緒に帰省した話②

ホテルには大浴場がついていた。普段は介助付きでお風呂に入っている母、普段はシャワーのみの娘と3人でゆっくりお風呂に入った。
背中だけは流したけど、他はすべて、好きなように洗い、自分のペースでお湯につかり、いいタイミングで出て、1人で服を着たり化粧水をつけたりしていた。
したいようにしたいことを自由にできず、不自由を感じる毎日なのだろうな、と少しかわいそうになった。
一方で、何もかもやってもらうことに慣れすぎていると感じる場面もある。食後の薬はいつもは介護士さんが袋を開け、母の手のひらに出して水の入ったコップも渡してくれるらしい。私が袋ごと渡すと、袋から出すのを待っていたり、座ったまま「水ちょうだい」と言ったりした。1人で立ち上がれるはずの時も両手を出して体重をかけたりするようになっていた。

2日目は別の施設の見学に行った。どちらも今のところよりは良いような気がする。母もその両方で「ここにする〜。」と言ったが、また手放さなければならないものもある。今回は慎重に決めたい。

その日は帰ったら疲れてしまったのか、部屋の狭いお風呂に入って寝た。

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