お正月の母

母は11月に転居して初めての新年を迎える。大晦日に弟の家に泊まり、1日は弟一家と一緒に旅行に出かけた。
わがままな母を受け入れてくれる義妹には本当に頭が下がる。
1日に新年の挨拶のためにビデオ通話をした時、とても楽しそうな顔が見えて安心した。
きのう電話をしてその時の様子を聞いてみたら、宿がとても快適で楽しい旅だったのだそうだ。「今度連れてってあげるね。」と嬉しそうに報告してくれた。

しかし、また朝っぱらから「出かけたい」とわがままを言って弟を怒らせたようで、そのあとどこかに頭を打ちつけてしまった弟を「私を怒ったからバチが当たった」と大笑いをした、という話には私も怒りと悲しみを覚えた。自分の大切な子ども、という感覚がもうないのかもしれない。

さらにその後、「行かなければよかった」と言い出した。「私だけ楽しい思いをして、2人を置いてきてしまった。かわいそうなことをした」と。
2人とは、もうとっくに亡くなった母の両親のことで、亡くなったことはわかっているけれど、時々来るのだと、これは以前から言っているのだが、今日は自分と同じ施設に住んでいると言い出した。
「どうして自分だけ行ってしまったんだろう。2人も連れて行けばよかった。」
親は今でも大切な親なんだな。

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