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【書評】どん底サラリーマンが株式投資で2億円 いま息子に教えたいお金と投資の話 DokGen著 No.6


【結論】

人生100年時代において、労働者のまま生きられる時代は終わった。労働者=サラリーマンこそ、本業の仕事に専念しながら、資本家を目指すべきである。

サラリーマンが株式投資で成功するための条件は3S+1であり、すなわち、「借金をしない」「スタディをする」「仕事を頑張る」+「働く伴侶を娶る」である。

「ほっとけ投資」で長期間株式を保有し、時間を味方にし、労働者のままでは達成し得ない経済的自由を手に入れよう。お金の不安から解放され、心の余裕を持ちながら、幸せな人生を歩んでいこう。


【こんな人にオススメ】

◆ 本業に専念し、働きながら経済的自由を達成したい人                       ◆ 株式投資について勉強したい人(特に個別株投資について)                    ◆ シンブルファーザー


【著者について】

Dokgenさん。現在50代半ばのおじさんである。妻の浮気によって息子さんが5歳の時に離婚、財産のほとんどを持っていかれるという泣きっ面に蜂っぷり。

全財産90万円から人生再スタートせざるを得ない状況になった崖っぷちから、株式投資を続けて、天国と地獄を経験し、ダブル億り人を達成した人。

そんな著者が、大人になった息子さんに投資について教えている。その語り口は厳しくもあたたかく、そして優しい。

↓ Dokgenさんツイッター

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【1.サラリーマンが投資をするべき理由】


Answer:労働者のままで生きられる時代はとっくに終わっているため

人生100年時代、「長寿リスク=長生きすることで資金が枯渇するリスク」が高まっており、サラリーだけで生き抜くことは難しい。国も企業も個人を守ってはくれない。

日本はますますの超少子高齢社会となる。現役世代が老年世代の年金を支える賦課方式を採用している日本では、今後老後資金が不足していくだろう。つい最近も金融庁より2000万円不足すると発表があった。iDeCoや積立NISAを国が推奨するのも、

「国としては面倒が見きれないから、自分の老後資金は自分で準備してね!(*ノω・*)テヘ!」

といったところだろう。労働者が長寿リスクを回避し、長い人生を通じてお金の不安から解放され、経済的自由を手にすることは、幸せな人生を生きていく上で非常に大事なこと。

そこでDokgenさんは、「労働者こそ資本家になるべき」と主張する。安定したサラリーを手に入れつつ、本業に力を注ぎ、お金が働いてお金を生み出してくれる仕組みを作る。そのためには株式投資が必要で、株式投資こそ経済的自由を手に入れる有効な手段の一つだと主張する。


【2.まずは軍資金をためる】


4年で1000万円を貯める!

投資の世界で有名な72の法則。「72÷金利=資産が2倍になる年数」がわかるわけだが、いくら運用成績がよくても元手が少なければ2倍になっても微々たるもの。経済的自由の達成には程遠い。当然、元手の軍資金が多ければ多いほど、経済的自由は近づく。ということでDokgen流倹約術が書かれてあった。

◆ 衣 = 被服費の節約 全身ユニクロ クリーニング代も節約           ◆ 食 = 理想は手取り収入の10%以内 自炊メイン たまに外食    ◆ 住 = 住居費は手取り収入の15%以内が理想

Dokgenさんは会社の福利厚生で住居費はなんと8,000円!これはウラヤマシス。手取り収入は年間400万円だったそうなので、手取り月収30万だとして住居費はなんと驚異の2.6%!

これは再現性なし。少なくとも我が家は。だが言いたいことはわかる。固定費は貯蓄率を上げる上で最も大事な項目。以下リベラルアーツ大学の両さんも「早期リタイアのための最も重要な指標は貯蓄率」と言っている。

というか一つ言わせてもらうけれど、手取り年収400万って、今の時代ではなかなかの高収入よ。しかも住居費という貯蓄率にとっての最大の難敵をも攻略できちゃうとは。ますますウラヤマシス。貯蓄率を高めることのできる環境だったことがよくわかった。

そして彼の貯蓄率は驚異の50%となかなかの変態ですわ。そして4年で軍資金を1000万円にしちゃった!大事なのは貯蓄率、という両学長の言っていることを忠実にやったのね、このおじさんは。


【3.ほっとけ投資(時間を味方にする)】

最大の味方は「時間」。かのアインシュタインもおっしゃっていた、人類最大の発明は「複利」である、ってやつですね。79p、80pにとても印象的なことが書いてあった。

2003年から10年間の顧客のパフォーマンスを調べてみたところ、一番成績がよかったのは「亡くなっていた人」。次に良かったのが「運用をしていること自体を忘れていた人」

なるほど。目先の利益についぞ飛びつかず、中長期にわたってリターンを得る姿勢が大事だと。どーせ無理、と諦めずに株式市場から退場しないことが大事なのだと。

Dokgenさんは様々な投資スタイルを試した結果、最終的に行き着いたのがこの「ほっとけ投資」。時間を味方にし、複利によってリターンを最大化する。そのスタイルは個別株投資であり、ほんの少しだけやり方が書いてあった。

◆ 自分の知っている会社(好きな会社と言ってもいい)                 ◆ たぶん倒産しない会社(財務諸表における指標がいくつか紹介)             ◆ 割安な会社(お馴染み、PBRとPERです)                     ◆ 小さな会社(今更Amazonは株価10倍になりませぬ)

読んでいて世界一の投資家、ウォーレン・バフェットに通ずるところがあるな、とも思った。自分の知らないよくわからんビジネスモデルの会社に投資をして、著者は痛い目に遭っている。自分が知っていて馴染みがあって、かつ好きなら財務諸表やその会社のことを調べるのも苦痛ではないだろう。

株式市場は上がったり下がったりの繰り返しで、それで一喜一憂するのは身が持たない。本業に影響を及ぼさず、お金がお金を生んでくれるマネーマシンを作り出した。


【4.サラリーマンが株式投資で成功するための条件

3S+1】 

「借金をしない」「スタディをする」「仕事を頑張る」+「働く伴侶を娶る」

◆借金をしない = 住宅ローンなんてもってのほか            ◆スタディをする = スマホで浪費する時間を投資の勉強にあてる        ◆仕事を頑張る = 時に投資に有利となる              ◆働く伴侶を娶る = エンジンは2つのほうが断然よい

個人的には特に働く伴侶を娶る、が最も大事だと考える。幸いそういう奥さんで本当に感謝。それにしても、元妻の結婚の捉え方が「結婚を三食昼寝付きの永久就職」と表現していたのはワロタwwww


【終わりに】

この本はテクニカルに株式投資を詳しく教えてくれる本ではない。よって再現性は他の本に比べて期待できないかもしれない。

この本の最大の特色は、一人の男の、血と汗と涙の生き様が克明に書かれていること。その点で他の投資本とは一線を画していると個人的には思う。グレた息子さんに殴られて肋骨を折られたとか、妻の浮気によってシングルファーザーになってしまったとか、なかなかのヘビーな境遇である。

崖っぷちから株式投資をはじめ、見事ダブル億り人になったDokgenさん。この本で得られる印税はすべて寄付されるとか。なんという素晴らしい。とてもおもしろい本だったので、この書評記事にて興味が湧いたらぜひ手にとって読んでみてください。

最後にこの本を知るきっかけとなったYoutubeの動画を貼り付けて終わりにするとしよう。


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