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『滝平二郎 きりえ画集』   講談社


これから立ち上がる《はつしおとしょかん》に、寄付していただいた本。縦25×横40 くらいの大きい画集。 滝平二郎さんのきりえと、情景がさらに広がる言葉が添えられて、全109ページによって、目いっぱい綴られている。

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第一発行は、昭和50年。 滝平さんの子どもの頃の風景だとしたら、さらに前の時代だと思われる、子どもも大人も着物を着ているし、山並みや家の作りも、昔の様子。

それが、何故か懐かしい。その頃、わたしは生まれていないのに、私の中のDNAの一部分に触るなにかがある、日本人としての何か。

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つくしがスギナになる、この季節。

この表情。 

きりえにして、ここまで心情を表すことができる技。描くのとは違う、浮き出てくるもの、という感じなのかな。

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提灯持って外を歩くなんて、今の時代見たことない。 地域にはあるのかもしれないけど、大体のところでは、どうだろう、灯りを灯す。という言葉自体、無くなりかけているのではないかな。

あかりは、どこにでもあるから。街に行けば、煌々と電気がついて、火をつけるというより、電気をつける。

夜道を、火の灯火だけで歩くなんて、今ならエンターテイメントになるくらいじゃないかな。

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消えかけている風景が、この画集にたくさん詰まっている。

電気の使いすぎ、石油高騰、自然と生きる。

もう一度、立ち返ることができる。

私たちの先祖が暮らしてきた中に、これからの未来のヒントが隠されているんじゃないか。

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