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丁寧な暮らし2.0 〜憧れの食事〜


昔、15少年漂流記を読んだ時に
好きになったものがあります。
それは
「ウイスキーをたらした水」
であります。

遭難した少年たちは島で手に入れた食物を
大切に分け合って食べた。
食事の内容は作品の中で
それなりに丁寧に描かれていたような
記憶があり、毎回の食事の中に
「ウイスキーをたらした水」
が登場する。
浜辺に流れ着いたタルか瓶を
手に入れた少年たちがジュースもお茶もない
島で水にウイスキーをたらして飲む。

当時の私はあまりウイスキーにいいイメージを
持っていなかったので最初は
「なぜこどもがわざわざそんなものを」
「おじさんの飲む臭い酒で水を汚すなんて」
と思っていたが何度も作品に登場するうちに
「ウイスキーをたらした水」が登場するだけで
唾液が出る様になってきた。
あこがれた。
後年、私がウイスキー好きになる
きっかけの一つは
この「ウイスキーをたらした水」の
影響に他ならない。

ちなみに作品の細かい内容はほとんど覚えて
いないが「ウイスキーをたらした水」を
想像していた当時の自分の感情は
くっきり思い出せる。

同じ様なものに
まんが日本昔話の芋粥がある。
まずしい老夫婦が囲炉裏の鍋で
コトコト音を立てて作り上げて
旅人などに分け与え、
ずるずるぺちゃくちゃと
音を立てて食べ
「うーーーめぇーーー」
なとどつぶやくあれです。

上記の場面はイメージなので
旅人に芋粥を与える話が
実際に存在するかは
定かではありません。

幼い頃はとにかくこれに憧れて、憧れて。
風邪を引いた時などに母親に
「何か食べたいものは?」
と聞かれると芋粥、と答えるのだが
そんなものでは栄養が摂れないといって
お粥に野菜や魚などを放りこまれて
しまうのだが、私はとにかく
芋粥が食べたかった。

何度言っても芋粥は作ってもらえず
味がしないから美味しくはない、
と言われる始末。

しかし、これは後年、自分で
さつまいもと米だけの入った粥を作ってみて
大変気に入り、
今でも好きなメニューであります。

他に私はご飯にお湯をかけただけの
「お湯ごはん」も大好物なのですが
これについて語ると大変長くなるので
また別の機会にでも。

(了)

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